16.4.10 両国大会観戦記

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最近プ女子が社会現象になりつつある中「プロレスって面白いの?」という素朴な質問を受けることがあります。30年前なら誰もが知っていたジャンルだったもののプロレスそのものを理解していない人が多いようです。また昔しか知らない人は「最近のプロレスってどうなの?」と。どうも気になるのだろうか。それともプ女子に興味があるのだろうか…。
そういう質問には昔なら「戦いのロマンだ」と訳の分からない猪木イズムを返していたものですが、最近は「昔みたいに両者リングアウトとか反則決着はなくなって、ビッグマッチは20分を超える激しい攻防で最後は持ち技でちゃんと決着が付く。だから分かりやすくて盛り上がるよ。」と回答しています。昔は豪華ガイジン選手を見ることで満足していた感があるが、ファンの見方も随分変わってしまったように思う。タイトル戦は微妙なカウントの返し技決着…はなくなりちゃんと決着するので「え~っ、今の3カウントかぁ~?けど猪木が勝ったからまぁいいかぁ。」というのは今や昔…。

さてこの1ヶ月、スポーツ界での出来事を振り返ってみると・・・
フィギュアスケート世界選手権大会で金メダルが期待された“絶対王者”羽生結弦選手はショートでトップを取ったもののフリーで逆転され銀メダルに終わりました。何でも怪我をしていたとか。女子も複数メダルを期待されながら、結局メダル0でした。浅田真央選手も復活Vとはなりませんでした。もうすっかりベテランの風格ですが平昌五輪まで続けるそうで、頑張って欲しいところです。

水泳では“五輪の申し子”北島康介選手が選考から外れました。最後の200mは5位なので「何も言えねぇ」ですが(えっ?使い方が違うって?!)100mは2位も選考基準記録に届かなかったため選考されませんでした。けどこれって日本水連独自ルールらしいですね…何だかよく分かりませんが確かに選ばれてもメダルの期待はできないかもしれません。が「五輪は参加することに意義がある」と昔は言ってましたよね…(そういえば最近聞きませんが(^^ゞ)。しかも敗れて即引退するとのこと(ん?橋本?!)。
女子マラソンでは野口みずき選手も選考会で惨敗して引退です。
概ねどの競技も期待された選手やベテラン選手に注目が集まります。「羽生は金だろう」「真央ちゃんも金取れるかも」「北島が五輪に出たらひょっとして…」「野口なら…」と。これはある程度世界共通だと思いますが特に日本人に強い感情なのかもしれません。
千秋楽結びの優勝がかかった横綱同士の大一番、白鵬が敗れて稀勢の里との優勝決定戦を望んだ館内の大観衆やテレビ桟敷のファンの期待もむなしく、まさかの立ち会いの変化で1.1秒のあっけない幕切れで白鵬が優勝しました。
もうちょっとで二場所続けて日本出身力士の優勝でしたので残念でしたが、それよりも横綱同士の激闘を楽しみにした一番がそういう結末でしたので館内大ブーイングでした。二番前に優勝決定戦を目指した稀勢の里と豪栄道の一番もあっけない相撲でした。
本場所の千秋楽というと、プロレスでいうところのビッグマッチです。そのメインイベントやセミファイナルがあっけなく終わってしまっては…やはり熱戦を期待するファンからするとブーイングしたくもなりますね~(^_^;)。

そこで今大会。
AJ、中邑不在の今〝絶対王者”として会社からも2億円投資してスターにしようとしているオカダと、NJC王者にして今が〝旬”の内藤の王座戦。内藤は以前のNWOのようなムーブを起こしつつあるロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)を率い、制御不能振りを発揮している。正規軍でイイモノだった時よりもワルモノになった今の方がファンの支持が高いのもよく分からない気もしますが、これも日本人的感情なのだろうか…。そういえばCHAOSもワルモノだったはず…。
そんな大一番の決着の仕方がLIJ得意な乱入によるものだった。「最近のプロレスはちゃんと決着が付く」と聞いて参戦したファンからすると「何だ!昔と変わらないじゃないかぁ!」と言うのだろうか…。実際ファンの間で試合後のサイト上の攻防は、最近では一番荒れていた気がします。「あんなのは認めない」「あれを認める新日は何だ!」「ベルトを投げ捨てるヤツに王者の資格なし!」「タイトルマッチを舐めるな」「金返せ!」「私のカズ君(オカダ)に何をする!」「イヤ、これもプロレスだ」「内藤カッコいい!」等々(コメントは適当です:笑)と、激しい批判合戦が多々見受けられました。ある意味最近は平和な決着ばかりだったので、昔の「イデオロギー闘争」のような熱いバトルが繰り広げられたでした。
もちろん乱入はいただけない。しかも試合後にレフェリーに攻撃を加え、ベルトを放り投げる…横綱審議委員からクレームがくるような立ち居振る舞いは確かに王者にふさわしくない。ただ館内の歓声は内藤を推したのも事実。
それよりも、この日は試合後に突っかけた選手が次期挑戦者に決定したことも何なんだろうか。よくある話ではあるが、新王者に負けたばかりでも挑戦できるなんて…。内藤は正論を言っている。だから支持を集めるのだろうか。

【第1試合】●ロビンソン、田口vs高橋、〇ファレ
青い目のヤングライオンが威勢のいいファイトをするがいきなりのバッドラックフォールで決着。
【第2試合】ライガー、〇永田、小島vs●YOSHI-HASHI、桜庭、矢野
桜庭は黄色いマシンマスクで入場。矢野は「ブレイク」を連呼し煽る。試合は張り切るYOSHIを永田の意地のバックドロップホールド葬。
【第3試合】後藤、〇石井vs●BUSHI、EVIL
後藤に大ブーイングも石井との牛殺し~スライディングラリアットの連携冴え粘るBUSHIを黙らせた。後藤とEVILに遺恨発生。
【第4試合】IWGPジュニアタッグ サイダル、●リコシェvsバレッタ、〇ロメロ
個々の実力の高い王者チームは連携も冴えている。しかし挑戦者も食らいつき最後は合体技ストロングゼロが決まり歓喜の王座奪取!
【第5試合】IWGPジュニア 〇KUSHIDAvsオスプレイ
英国から初参戦のCHAOSジュニア戦士のオスプレイは序盤に腕を痛めるも超人的な飛び技を繰り出す。飯伏チックなファイトでレインメーカーポーズから未遂ながらもレインメーカーもトライするが、王者のホバーボードロックでギブ。
試合後ライガーが登場し「ライガー最終章をかけて挑戦する」とアピールし王者も受諾した。
【第6試合】NEVER6人タッグ ヨシタツ、〇エルガン、棚橋vs●ニック、マット、オメガ
ヨシタツの復帰戦がいきなりタイトル挑戦。オメガにスタイルズクラッシュをかけられ悪夢がよぎるが回避。連携に勝る王者組はピンチでスプレー攻撃して優位に立つが逆スプレー攻撃。最後はエルガンボム炸裂でタイトル移動。歓喜のヨシタツ。試合中セコンドのコーディーホールが場外戦に巻き込まれて病院送りになってしまった。
試合後オメガにエルガンが詰め寄り次期IC挑戦者に名乗りを上げた。その後リング外を一周してファンサービスする棚橋をファレが襲った。
【第7試合】NSVER 〇柴田vs天山
第三世代をセコンドに付けた天山が悲壮感漂い柴田と対峙する。アナコンダ殺法と頭突きを交えて攻め込む天山の攻撃を耐え切った柴田がスリーパーからPKで激勝。試合後天山に最敬礼し直後に永田を襲撃!
【第8試合】IWGPタッグ ●本間、真壁vsロア、〇トンガ
ようやくタイトル戦線に名乗り出てきたトンガは兄弟で挑戦。王者組ペースで試合が進むが兄弟タッグの連携は抜群。大こけし失敗した本間に標的を絞り合体のゲリラフォーフェアで初戴冠果たす。
【第9試合】IWGPヘビー オカダvs〇内藤
入場から内藤大人気で王者を圧倒する。オカダには金の雨が降るが何だか飲まれている。試合は予想通りロス軍が乱入する。外道もアシストするがレフェリー不在で見知らぬ男が登場し、価値を確信したオカダに攻撃を加える。レインメーカー封じた内藤がディスティーノで大勝利。試合後オカダと外道を救出すべく後藤と石井が駆けつけ石井が内藤に詰め寄るが、館内石井に「帰れコール」。マイクで木谷オーナーを批判しベルトを放り投げるも内藤支持の空気で新時代到来か?
見知らぬ男はフリーのSANADAだった。髪形を変えてただでさえ新日マットで認知度が低いのにさらに分からなくなった。館内も「誰だ?」を連発していた。EVILの時もそうだったが、そういう選手は名前の書いたシャツでも着てこい!と言いたいところだ。

ということで、試合後乱入したり突っかけただけで次期挑戦者や対戦カードが決まってしまう状況になってしまった。
石井はNJCで内藤に負けたばかりだし、もっとよく吟味すべきではないだろうか?
そうそう、「トランキーロ!あっせんなよ!」かな。

以上