12.1.4 東京ドーム観戦記

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2012.1.4  レッスルキングダム VⅠ in 東京ドーム

今年も“一年が始まった”。そう、プロレスの元旦は「イッテンヨン」である。
今年の年賀状は辰年にちなんで藤波辰爾の写真を掲載した。亥年は猪木、寅年はタイガーマスクを用いたのであるが、いずれもレジェンド…っていうか、最近のリングネームは本名ばかりなので仕方ないか(あっ、猪木も藤波も本名か)。

さて、毎回チケット発売日を見越して「いい席は早めに」購入してきたが、今回は事情がありすぐに買うことができなかった。闘魂ショップやチケットぴあよりも、会場で売るチケットの方がいい席だろうとは思ったものの、観戦する機会もなく、先送りになってしまっていた。「どうせ直前でも買えるし」「うまくいけば、いつかのG1の時のように招待席を安く買えるかもしれないし」「オークションとかで安く出回るかもしれないし」と正当なファンらしからぬことまで考えてしまった。
そんな折、神保町の書泉グランデで新日本プロレスのイベントをやるという。真壁が一日店長に来たり、昔のチャンピオンベルトを展示したり、グッズや昔のパンフの販売をするようで、そこでもチケット販売をすると発表された。
通常同書店に割り当てられるチケットは、数も少なめでしかもあまりいい席がない。なので新日本プロレスのHPで問い合わせをしました。
内容はそのイベントの時に販売するチケットは、既に割り当てられたチケットに追加するのかどうか、即ちもっといい席を持ち込んでさばくのかどうかを確認したかったのである。
が、新日からの回答は「それは書店に確認下さい」と。「え~っ?新日のイベントだろう?」とすぐ「追加されるなら、わざわざ行こうと思う」と再度聞き返したら「それは答えられない」とのこと。
いったいこんな敬虔なファンを何だと思っているんだ!と怒り半分、立場も分かるのであきらめた。
イベント初日に同所へ行くと、前田日明が持ち帰った欧州ヘビー級、北米タッグ、北米ヘビー級、U-30等のベルトが展示されていた(写真撮り忘れた!)。店員にチケットのことを聞くと、「スタンド席は追加がありましたが、アリーナはまだ殆ど売れていないので追加はありません」との返答である。「そりゃそうか」と納得。

いつもは1階席の前方狙いであったが、バックネットが邪魔になるとか(実は今回は取り外していた!)、低すぎて遠いと写真にならないかな、と悩んだものの、今回はアリーナの通路側から2席ゲットした。1列前に1塁側から3塁側に移動できる広い通路になっており、選手の退場のたびに右へ左へ移動できる。おかげで観戦しながらいい運動になった。

今年は新日は40周年だということで、その第一弾として位置付けられた「イッテンヨン」であるが、メインが棚橋vs鈴木みのるでセレモニー等も特にないようである。
試合開始が17時なのに第0試合が16時20分開始。早過ぎではないか?都合5時間興行であり、ある意味お得だった(1月4日のブログ参照!)。
17時になると本日のカードがモニターで流され、そのまま試合開始になってしまった。昔なら選手入場があり、社長なり会長なりの挨拶があったが、いつの間にかそれもやらなくなった。40周年なのに…。試合前に坂口征二がダッグアウトにいるのを見つけた。今は相談役なので表舞台には現れないのか…。

選手としてはNOAHからチャンピオン潮﨑、副社長丸藤、前王者杉浦、全日本からは武藤、船木、河野、それと高山や元WWE、CMLL戦士らが参戦してきた。メインがドームのメインとしてはやや物足りないが、プチオールスター戦的な様相の陣容であった。が、1.8後楽園には出る長州、藤波、初代タイガー、藤原らは来なかった。
今大会は43,000人の観衆。2階席の一部を開放していたが、ほぼ設定座席は埋まっている感じだった。もしその4人に坂口、木戸(^_^;)、前田、高田、蝶野、藤田らが試合はないにしてもお祝いに駆けつけるとかのセレモニーでもやれば、更に小島の20周年に来たハンセンや、大晦日の「元気ですか!!大晦日!!2011」に来たタイガー・ジェット・シンも加われば、もっと客席も埋まったろうに…。あと、中西の挨拶も!

まあ何はともあれ無事に開催し、成功に終わったと言えよう。
メインは今の流れでいうと侵略進行中の鈴木みのるになってしまうが、今の棚橋の充実振りからするとどう考えても王座交代はないだろう、と見てしまう。「イヤイヤ連続防衛記録をすんなり樹立させないだろう」、「ここで防衛したら挑戦者がいなくなっちゃうし」…という意見もあったかもしれないが、それを飲み込む充実振りだ。確かに鈴木みのるは三冠ヘビーも獲った実力者。とはいえドームのメインでIWGP挑戦は、素直に嬉しかったに違いない。
実は“チャラ男”といわれる棚橋は、年間300日ジムに通うという努力家らしい。英国の専門誌でも2011年の最優秀レスラーに認定されたそうである。ALL TOGETHERでも主役だったが、世界最高レスラーがそんな努力家だったとは!

しかしながら一番声援を集めたのはセミファイナルに登場した武藤である。やはり千両役者だ。次代のエース内藤が世に出る試合かと思いきや、完全に掌で踊らされてしまった感が強く残った。棚橋もまだ武藤の領域には及んでいない。
他の試合は全て順当な結果だった。王者時代の杉浦に3連敗した後藤はようやく勝たせてもらえたし、GHCタッグ2冠のIWGPタッグ王者のバッドインテンションズは今年もプロレス大賞をもらえなかったので?早々に復活テンコジに敗れた。船木の負傷はアクシデントだったろうが…。

「イッテンヨン」はこうしたテンコ盛りな大会にならざるを得ないが、ジュニアはApollo 55とCMLLの流れがどう絡んでいくか、タッグはテンコジが軸になりそう。鈴木みのるも継続参戦しそうである。
が、IWGP戦線は次期挑戦者に名乗りを上げたオカダは場内からブーイングされ、棚橋にもダメだしされた。にも関わらず、挑戦が決定した。身長190㎝超の大型戦士なので、5年後にはメインを張るであろうが、同じ若手のYOSHI-HASHIに盛り上がらずに勝利しただけでは時期尚早というしかない。
まさか王座交代劇はないと思うが、いつまで棚橋政権を引っ張るのだろうか、誰が止めるのだろうか、絶対エースにしてしまうのも悩ましいところか。また、他団体との抗争やALL TOGETHER第2弾仙台大会をどうつなげるのかも興味深い。

ALL TOGETHER第2弾は2月19日仙台大会かぁ…。
いっ、行くべきかな(^_^;)

…何でもいいけど当日大会の真っ最中にBS11で「元気ですか!!ニッポン」という猪木IGFの特番をやっていた。ALL TOGETHERの日にも興行をぶつけたし、もうそういうのいいんじゃないですか?猪木さん!


≪試合結果≫
【第0試合】本間、●三上vs〇タマ・トンガ、キャプテン・ニュージャパン
昨年プチブレイクした平澤の化身ヒデオ・サイトーは飯塚と仲間割れしてキャプテンになったが、ドームのカードからは漏れてしまった。暮れにIWGPインターコンチに挑戦して漏れた本間と暮れの特番で高橋広夢を下した三上組とのタッグ戦だ。
全身タイツ姿のキャプテンと三上でスタート。続く本間は大人気。トンガはスヌーカチョップからブロディの真似で声援集める。本間、キャプテンに万を持したコケシは決まらず。最後はトンガのヘッドシュリンカー(飛び付きDDT)が三上を捕らえ幕。

【試合前】
実況軍団が挨拶。野上アナ無念の体調不良。飯塚が出ないので気が抜けたとの解説。AKB48の小森がゲスト。かなり場違いながらも中西、永田ファンらしい。ここで棚橋ファンといわないところが観客の好感を得たか。
カウントダウンで対戦カードVTRで盛り上がる。

【第1試合】IWGPジュニアタッグ:ロメロ、●リチャーズvs〇田口、デヴィット
第1試合からタイトル戦。アポロ55は宇宙服で入場。田口序盤から二人相手に攻撃仕掛ける。Wトペコン、ブラックホールバケーション決めるが反撃食らう。田口が狙われ何度もデヴィットに助けられ最後もあわやの体勢も大逆転の回転エビでタイトル奪回。

【第2試合】ドラダ、KUSHIDA、タイガー、〇ライガーvsタイチ、TAKAみちのく、●バリエンテ、アトランティス
タッグ王座戦より後のジュニアの8人タッグ戦。正規軍は何故か鉄腕アトムに先導されて入場。どうやらタイアップしているようだ。この試合はタッチしなくていいメキシカンルール採用。ライガー全身シルバーのコスチューム。お約束のライガーとタイガーがマスク狙われ、お約束の一人ずつ空中弾にタイチのロングタイツ脱いですぐ攻撃食らう場面をこなしてシルバーライガーがライガーボムからの垂直落下ブレーンバスター炸裂。

【第3試合】〇オカダ・カズチカvsYOSHI-HASHI
凱旋帰国、金髪同士、CHAOS軍同士の一戦。オカダはお金の雨を降らす“レインメーカー”とかいうキャラになって相変わらず態度がデカいし背もデカい。YOSHIはメキシコ修行でほったらかされて怒っている。YOSHI攻勢もオカダの変形ゴリースペシャルからレインメーカーでいきなり3カウントで観客唖然。YOSHI見せ場なし!もう少し若手らしいつばぜり合いを期待したが…。

【第4試合】●井上、永田vs河野、〇船木
河野は一応新日出身も、船木の24年振りの新日マット復帰に注目だ。ついでに河野はアニマル浜口ジムで井上の後輩らしい。永田は昨年度のチャンピオンカーニバル制覇も船木には敗れている。序盤永田と船木の攻防は永田優勢。白目式腕折りも披露。船木はキックと逆十字狙い、河野はジャンピングニー繰り出す。井上のスピアーやジャーマン、裏拳が効果的に船木に決まるがハイキックに撃沈。試合後永田と船木が殴り合い遺恨を深めるが、どうやら船木は負傷してしまったらしい。

【第5試合】ベンジャミン、〇MVPvs●高橋、田中
IWGPインターコンチベルトを巡って田中と遺恨を深めたMVPが助っ人を連れてきた。外人組が先に仕掛ける。早々にボーリンエルボー連発。田中は場外戦で優位にたち、机のMVPにハイフライ弾で机破壊。ベンジャミンは巨体なのにノータッチトペコンや軽快にロープ最上段に飛び乗り田中を抑えフォローし、MVPのイリバーシブルクライシス決まる。

【第6試合】IWGPタッグ:アンダーソン、●バーナードvs小島、〇天山
テンコジはそれぞれのテーマ曲をミックスした曲で入場。小島とアンダーソンでスタート。お互い大胸筋ピクピク披露。テンコジは序盤から連携繰り出すが、王者組も連続攻撃で対抗。ブレーンバスター打ち合いは天山が制し小島のマシンガンチョップから行っちゃうぞエルボー決まるが、アンダーソンのライガーボムの反撃食らう。その後バーナード攻勢もコジコジカッターから天山のモンゴリアン食らう。が天山に猛攻食らわせアンダーソンのガンスタンにつなぐ。天山頭突きでピンチ回避も二発目食らいマジックキラーからバーナードボム。あわやの場面も小島ラリアットで救出し起死回生の天山ムーンサルト炸裂!天山マイクの後小島が「俺たちが、世界で一番ベルトの似合うタッグチーム、天山、小島、略してテンコジだ、バカヤロー、オイ!」で締めた。

【第7試合】〇後藤vs杉浦
毎年恒例の後藤と杉浦の一戦。杉浦戦シングル3連敗の後藤は王者陥落した今回が悲願の杉浦越えを狙う。静かな立ち上がり。杉浦のビンタからヒートアップ。追っかけっこラリアット合戦は後藤の読み勝ちもコーナーワークは杉浦のスピアー、ジャーマン、打撃を食らう。五輪予選スラムはアームホイップで回避も猛攻食らい大ピンチ。頭突きで反撃しカチアゲラリアットから裏昇天、昇天改で初勝利。リング上で歓喜の後藤に対し、杉浦「やれやれ」という表情で引き上げた。

【第8試合】〇真壁vs高山
真壁ゴング前に突っかかる。ラリアット放つが高山バックドロップ、エプロンでニーリフト。ミドルキックは耐えてみせる。高山スープレックスから逆十字、膝攻撃の嵐。真壁頭突きとラリアット放つが再びバックドロップ、ギロチン、カウンターの膝からエベレストジャーマンは必死にロープを蹴り高山にもダメージを与える。逆ジャーマン、ラリアット、袈裟ゲリ、Wチョップからコーナーに据えスパイダージャーマン、キングコングニーで高山越え果たす。高山若手に両肩を支えられ疲労困憊で退場。

【第9試合】●矢野、中邑vs丸藤、〇潮﨑
中邑と丸藤でスタート。エルボー合戦から中邑膝ぶちこむがキックは丸藤かわし切る。矢野と潮﨑の色白対決は矢野がおちょくるが潮﨑優勢。バーバー矢野のハサミは潮﨑回避も逆水平は鉄柱誤爆。コーナーマット外し優勢も潮﨑チョップで反撃。「ヤノ、トオ、ルー」ポーズは潮﨑がぶち壊すが自力で反撃しやり直してから中邑にタッチ。丸藤中邑の頭に攻撃も中邑コーナーに据え付けニーリフト。丸藤不知火、潮﨑倒れ込み逆水平。中邑が潮﨑をエプロンへ投げると絶妙な矢野の椅子攻撃がヒット。矢野はポストを外し潮﨑を打ち付け鬼殺しは決める。レフェリーに潮﨑を投げつけ回避したすきに急所攻撃を巧みに使うが分断されゴーフラッシャー返せず。試合後中邑と丸藤にらみ合い。

【第10試合】内藤vs〇武藤
天才対決。武藤はIWGP王者時代のテーマ曲「TRIUMPH」が鳴り響くと場内大歓声。静かな攻防が序盤戦から続く。フラッシングエルボーかわし場外の武藤に内藤弾丸ドロップキック、武藤場外とフェンス越しドラゴンスクリュー。内藤膝痛める。リングに戻るやシャイニングウィザード、ドラスク食らい足四の字で追い打ち。更に低空ドロップキック連発連発。逆回転ドラスク、ノーマルドラスク、足四の字で地獄に追い込んでいく。武藤足取りに行くが内藤三度回避し首を固める。コーナー弾からダイビングエルボー、雪崩式フランケン、延髄、ジャーマン、とどめのスターダストプレスはかわされ、シャイニング連打。内藤丸め込み連発も武藤シャイニング、狙いを定めたシャイニング、それも返されるや何とムーンサルト敢行の大サービス!内藤武藤ワールドに飲まれて完敗。武藤と握手拒否。

【第11試合】IWGPヘビー:〇棚橋vs鈴木
花道が長くてもお約束の「かっぜにぃなれー」のタイミングでリングインする鈴木にブーイングが飛ぶ。オーソドックスな序盤戦から打撃戦に。鈴木コーナートップで猪木張りに(って猪木はやったことないが)卍固めからハイキックで棚橋突き落とす。棚橋ドロップキックからプランチャはかわされ花道スリーパー食らうが花道ゴッチ式パイルドライバーは回避も鈴木の猛攻に棚橋場外カウント18。余裕の鈴木は藤原張りの一本足頭突き連発。棚橋のエルボーを声出して挑発して耐えきるがボディアタック、クロスチョップ、サマーソルトドロップ食らう。カウンターのドロップキックで鈴木歓声を煽るが場内ブーイングの返礼。棚橋蹴り足キャッチしドラスクに行かずに軸足に低空ドロップキック。コーナートップから場外の鈴木に方向を変えながらのハイフライ弾。鈴木場外から腕十字、笑いながら蹴りまくり、ドラスクは逆十字に切り返す。ロープブレイクからキック、膝、レフェリー突飛ばす。更に棚橋ハイフライを剣山、張り手で優勢もダルマ式ジャーマン食らう。一瞬の隙をついてスリーパーに捕らえ王者を追い込む。棚橋目が閉じたがカウント入るが返す。再びスリーパーからゴッチ式パイルドライバーは無意識にギリギリ返す!棚橋ドラゴンスープレックス、トゥエルブ-シックスから再度ドラゴンスープレックス、ハイフライフロー。鈴木返す!鈴木の頭突きが凄い音でドームに反響する。張り手合戦からスリーパー狙いをスリングブレイドで返し、背中に正面にハイフライ連弾で激闘制す!

【試合後】
ファンクラブ代表の女性やAKB小森からの受賞にハグしてチャラ男振りを発揮し、ハッピーエンドに向かっていると、アナウンサー張りのいい声でオカダが挑戦者に名乗りを上げる。場内「誰?」と厳しい反応。マイクアピールにはブーイング。場内シラケムードになるが、そこは連続防衛新記録の慣れた王者が空気を察して「力で上がって来い!」と返すと場内大拍手。
インタビューでも「自分でも、歴史のあるこのIWGPのベルト、最多防衛11回、ホントに、ホントに、できると思ってましたー!」と棚橋らしく喝さいを浴びる。一度引き上げようとしてから舞い戻ってお約束のエアギター披露し、花道を戻って「愛してまーす!」で締めた。


以上