15.1.4 東京ドーム大会 観戦記

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2015.1.4 WRESTLE KINGDOM 9 in 東京ドーム


新年明けましておめでとうございます。
今年も「闘い詣」は東京ドームだ。というか今までもそうだし今後もそうなるハズである。どうせ見るなら「良い席はお早めに」なので例年チケット発売開始時には細心の注意を払っているのであるが、今年は何かと忙しく…というか時の流れが早過ぎたのか、うっかりしてしまった。
このサイトを運営する手前、ベストはアリーナの中程の通路前、即ち1万円(10,500円)席の最前列である。それも正面の南側だ。チケット屋にねじ込むか、YTR選手に頼む方がよいか…と毎度の悩みもよそに、サークルKサンクスで事前購入するとハンドタオルがもらえるようだ。しかも期限間近。迷わずサークルKで購入した。席は選択の余地もなくアリーナの“西側”で前が通路ではないところであった。これでは写真が撮りづらい。ハンドタオルに心が揺らいだばっかりに…この歳にもなって物につられてしまうとは情けない。
今大会は前年のようなファン投票も無しにすんなりIWGPヘビーのタイトルマッチがトリとなったが、「史上最高の」といっている棚橋vsオカダなので妥当なところか。大物外敵は丸藤らNOAH勢位。NOAHの現状からすると新しい波を起こさないと…ヤバい状況でもあり仕方ない。けどYTRと結託とは驚きだ。YTR曰くはアマレスつながりだそうであるがある意味では「さすが!」でもあり、ある意味では政治的な匂いも…。また、そのNOAHで王座を奪取し21回連続出場の永田やNWAのタイトル保持者のライガーらは本戦出場を逃してしまった。

さて試合当日、開場時間前にドームに着くも、グッズ売り場も各会場の扉前も大行列。あぁ、こんなにたくさんプロレスファンっているんだなぁ…と関係者ではないが嬉しくなってしまう。何とか第0試合前に座席に着いた。幸い通路側であった。
すると「ギャル書道家」とかいう「なちゅ」女史が入場ゲート舞台で書き初めをする。こういう時、プロレスファンは結構冷たい。場内には獅子舞が通るがやはり反応がない。要はそんなのいいから試合始めろ~っていうことか。最初は「闘詣」とやたらに太い一画目が気になる書を書いた。もういいぞーっという空気だが司会者が続けさせる。これはたまらない。ところが下手な芝居を打つ司会者をよそに「第0試合」と書いたのである。しかも「早く試合を始めましょう!」と空気を読んだ展開だ。といいつつもそれまで無関心を装っていた観衆は拍手しづらかったりするのであった。

【第0試合】1分時間差バトルロイヤル~ニュージャパンランボー 優勝:永田
いわゆるバトルロイヤルで幕開け。事前に発表されたのは永田、中西、ライガー、タイガーマスクのみ。そういえばやたらに「今年の正月は試合がない」と強調していた超大物がいたが、まさか第0試合に大物は来るまい…。
タイガー、永田で開戦し、鈴木軍や若手ら順当な選手が1分置きに登場する。すると昔懐かしいあのテーマ曲が鳴り響く。んな馬鹿な!と思うやいなや場内に「ヒロ斉藤」のコールが轟いた。どう考えても最近の若いファンは見たことはないはずだが、物凄い反響だ。特に後ろの輩はずっと喉がかれんばかりの声援を送る。いい奴だ。けどうるさすぎる。しかもまだ第0試合なのに力尽きそうな勢いだ。
さてヒロ斉藤は誰と組むのか?とにかく目がヒロ斉藤に行ってしまう。本人もよく分かっていてとにかくセントーンを乱発する。
次のサプライズはワルキューレの騎士が鳴り響く。…お~っ、やるじゃん!新日本!。そう、藤原組長登場だ。こちらも大歓声で迎えられる。やはり代名詞技の原爆頭突きを打ちまくると観客も盛り上がる。まさに千両役者だ。
やっぱりあれだけ休みを強調していたあのスーパースターも来ちゃうのではないか~?!って期待するとまたも大きなどよめきとともにヌンチャク姿が巨大スクリーンに映し出される。そう、グレートカブキの登場だ。ところがリングイン間もなく毒ギリで即反則負け!呆気にとられる本人と大観衆。けど何だか微笑ましい空気感。逆に試合ができるコンディションではないからレフェリーが配慮したのだろうか…。
カブキは年末年始のバラエティー番組でドッキリの仕掛け人をやったのだが、距離感を誤り発射した毒ギリがターゲットに届かないという失態をしてしまい、且つ毒ギリが臭いとバラされてしまった。この情報はかなりツウな情報のはずが、一般の番組で公になるとは…カブキさん、大ポカですぞ!。
そんな夢のような第0試合でしたが優勝はスタートから奮闘した永田だ。本戦選出できなかった憂さ晴らしとなった形だが、これを第1試合でいいのではないか?他にはキャプテンが短時間ながらもインパクトがあった。
後ろの輩はずっと大声で堪能しているが、サプライズの度にとてもいいリアクション(けどマジうるさい)を続ける。それに選手が登場するカウントダウンも漏れなく大声。まだ本戦前なのに…。その輩が豪華第0試合を「スゲー楽しい!毎年やってくれないかな~」とまたまたいい発言。ある意味ビッグなお年玉だった。

【第1試合】IWGP Jr.タッグ4WAY戦 ボビー、〇カイルvs●コズロフ、ロメロvsシェリー、KUSHIDAvsニック、マット
一度に4チーム8人がリングインして戦うのはいいが、日本人が1人だったり王者チームが市民権を得ていないためか、素直に見入れない部分もあるが、予想通りの空中戦やタッグワークを披露する熱戦になった。最後は思い入れのない王者が勝って防衛に成功。ドームっぽいカードだが、タイトルマッチとしてはどうかなと思う。

【第2試合】〇本間、小島、天山vs●高橋、ファレ、ジャレット
永田・中西が第0試合、テンコジがノンタイトルの第2試合と第三世代には厳しいドームとなったが、今やハスキーボイスでTVに引っ張りだこで人気絶好調の本間とタッグを組んだ。本間は本戦初出場。対するCHAOS軍には憎っくきジェフ・ジャレットがレスラーとして登場。結構いい身体だ。本間がギターの餌食を回避しテンコジの連携から何と“こけし”が命中して勝利ゲット!

【第3試合】シェイン、マイキー、〇丸藤、矢野vsスミス、アーチャー、ベンジャミン、●飯塚
ベンジャミンが合流した鈴木軍に対し、YTRがNOAH丸藤&TMDKと合体して対戦。もはやメジャーと言っていいのか分からないNOAHとしては副社長丸藤を投入というよりもシェイン&マイキーのTMDKを売り出したいところ。そうなるとYTRは活躍のしようもなく「ヤノ、トォ、ルゥ」も完成できず。TMDKも実力を見せる間もなく丸藤が飯塚をフォールしてしまった。その後お約束通り鈴木軍が大挙してNOAHへ乗り込んでいき、丸藤の思惑通りとなった。ただ8人タッグが5分程度で終わっては…。

【第4試合】桜庭vs〇鈴木
遺恨深まるU系の実力者同士の決着戦。みのるはいつも通り“風になれ”に乗って入場するが、白パンツに白タオルを巻いている。そしてそのタオルを取るといつもの黒い渦巻きヘアではなく、何と白髪。しかもかなり絞った肉体美を披露。一方の桜庭は肉体を隠すシャツ姿。序盤からヒートアップした展開で場外戦に誘ったみのるの腕を桜庭がチキンウイングで大ダメージを与える。片腕を殺されながらも凄むみのるは張り手からスリーパーに捕え締め落として逆転勝利。試合後何と抱き合って握手するサプライズ。
桜庭は今後どこへ…?

【第5試合】NEVER 石井vs〇真壁
本大会でこの試合に一番期待しているファンも多かった注目の一戦。石井はG1で壊した肩が未だに完治していない。予想通り逃げないラリアットやエルボーの打ち合い、カウント1返し合戦と真っ向勝負。石井はコーナーから滞空時間の長いブレンバスターで追い込むが、本間以上にTVで稼いでいる真壁は得意のキングコングニーを決めタイトル奪取に成功。

《休憩》
上半期のビッグマッチを一挙紹介。7.5大阪城ホールでどよめきが起こるが、その後7.20で開幕するG1 CLIMAXのスケジュール発表で、開幕戦が札幌きたえーるに続き8.14両国で場内大歓声!、8.15両国で再び場内大歓声!、8.16両国両国で更なる大歓声!

【第6試合】IWGP Jr. 田口vs〇オメガ
好感オメガがBULLET CLUBでブラックに染まってしまうもいきなりの王座挑戦。一方王者田口は突然のエロキャラでプチブレイク中。入場ゲートの巨大スクリーンに際どい台詞が映し出される。どうせならもっと名台詞を聞いてみたいので田口に防衛して欲しいが、オメガもここで勝たないと浮かばれない。田口は越中よろしくケツ攻撃でおちょくる。この日はケツに拘るが最後は読まれジャンピングヒップアタックを捕らえられ、高速ジャーマンから片翼の天使で仕留める。
防衛失敗で今後田口節はしばらくオンエアされないか…?

【第7試合】IWGPタッグ ●ギャローズ、アンダーソンvs〇柴田、後藤
7度目の防衛戦の王者コンビは安定感がある。一方同級生コンビは秋のワールドタッグリーグを制しての挑戦。現王者に過去敗戦しているためこれに敗れればしばらく挑戦はできない。そんな背水の陣が挑戦者組をバックアップし、同士討ちも信頼関係崩れずダブル牛殺しで流れを引き寄せ柴田のPKでタイトル奪取に成功。
お互いにベルトを巻きあってあぐらで喜びを分かち合った。柴田はキャリア初戴冠!

【第8試合】内藤vs〇AJスタイルズ
日米天才同士の対決。内藤は元王者AJを踏み台にトップ戦線に入り込みたいところ。試合は内藤の動きに翻弄されるAJだが、こちらも元王者の意地がある。内藤にコーナーに据えられ雪崩式フランケンシュタイナーを仕掛けられるが耐え切りそのまま雪崩式スタイルズクラッシュで激勝。逆に内藤を踏み台にトップ戦線へAJが殴り込むことに。
AJは11.8大阪で凱旋帰国してきたヨシタツの首にスタイルズクラッシュを放ち大怪我させたことを気にしているようだ。けどそれは受ける側の責任でもあるので…今後も封印しないで使って欲しい。

【第9試合】IWGPインターコンチ 〇中邑vs飯伏
一昨年前のベストバウトのタイトル戦。ドームのセミの順番ではあるがダブルメインでタイトル挑戦とは飯伏も出世したものだ。ジュニアの体格ながら抜群の運動神経でヘビー級戦線で活躍する挑戦者に対し、ヘビー級ではあるものの若干線の細い王者。その王者は王様のような井手達で入場し、笑いを誘うも場内盛り上がる。試合は小ばかのやり合いから先に飯伏が切れてグーパンチや逆ボマイエを放って追い込む。中邑は反撃するも余裕がある感じだ。最後はコーナーボマイエからランドスライド→ボマイエで大激闘に終止符を打った。試合後は中邑のマイクで「イヤオゥッ!」で締めた。
後日この試合に感動した永田が中邑へ挑戦状を叩きつけた。

【第10試合】IWGPヘビー 〇棚橋vsオカダ
「史上最高の戦い」の一戦と銘打ったメイン。今日のプロレス界の隆盛を築いた2大エースの激突だ。G1を制してから「権利証」をかけてドームまで引っ張るのもエース級でないと持たない感じがするが、この2人のタイトル戦が神戸や両国、大阪では確かにもったいない。当然のように36,000人の大観衆を引き付ける。入場から大盛り上がりだ。オカダは恒例のオカダポンド札の吹き荒れる中、必死に拾いに行くがこれがなかなか難しい。試合は当然のように高度な攻防。お互いの必殺技であるハイフライフローとレインメーカーも決まらない。棚橋は何とコーナーからフェンス外へ大ハイフライフローを敢行する。オカダも「史上最高の戦い」に平常心ではなかったようで、珍しくレインメーカーポーズではなく拳を突き上げるポーズを見せる。試合は30分を超え膝へのハイフライからドラスク、ハイフライ連打で中邑vs飯伏の激闘と互角の激闘に幕。
試合後、勝利した時も「特にありません」と感情を表さない、あのオカダが退場しながら目頭を押さえている。えっ、まさか。頭を打って押さえているのか?えっ?えっ?なっ、泣いている!。そんな敗者に棚橋は「IWGPは遠いぞ」と追い打ちをかけ、エアギターから歓喜の「愛してまーす!」で一大イベントを円満に締めた。
その頃は席を立って花道の良く見える場所で見ていたが、ちゃっかり落ちていたオカダポンド札をゲット!。帰り際に客席内に落ちている数枚を拾って帰るつもりが、棚橋の退場パフォーマンスに見入っていたため…拾い忘れた!

36,000人の大観衆もダブルメインの激闘とハッピーエンドに大満足で帰路に着いた。後ろの席の輩はとうとうメイン終了までハイテンションで声出しまくって楽しんでいた。大した人だ。興行としては大成功だ。ただもっと集客するにはどうすべきか?。
最近〝カープ女子”の後は“プロレス女子”と言われている。確かに会場では女性ファンが増え、後楽園では女子トイレ渋滞が起きている。「黒いショートパンツで地味な攻防」、「海外の大物有名レスラーの来日」等、マニアックな男子しか対象にしていなかった昔の黄金期と違って、「派手な衣装に髪型のイケメンレスラー」、「ガイジンもイケメン」、「グッズもかわいい」等女性をターゲットにしてきた効果が出ているようだ。女性が観戦したい場合、多くが友人や彼氏や家族を巻き込む。男子ファンにも受け入れられる範囲で女性を引き付ける工夫が必要になるであろう。

とはいえこういうビッグ興行は新日本しかできないのが現状。なので第0試合に述べた超大物…そう、武藤を始め現役の大物や他団体の有望選手らをもっと呼んでみたらどうだろうか…。
全国ん千万人のオールドファンが回帰してくれば、もっともっと盛り上がるハズだ。
天龍が引退するそうだ。
長州もそんなニュアンスのコメントを言い出した。
武藤だってコンディションはギリギリな感じである。
やるなら早いくしないと!

来年の目標、ドームに5万人!