10.2.22 IGF JCB

  1. HOME >
  2. プロレス観戦記 >
  3. 10.2.22 IGF JCB
2010年 2月22日 IGF GENOME11 猪木デビュー50周年記念大会第一弾

2.19はプロレスの日?んなアホな。プロレスの日は1.4だろ!JTのレポートでも毎年そのフレーズで始まるだろう?猪木の誕生日が近いからって、適当にいうな…と一般的なプロレスファンはそういうであろう。かく言う私もそう思ったが、実は日本で最初にプロレスが行われたのが2.19らしく、本当らしい…。「豆知識だよっ」(某芸人風)

今年は1.4もいい感じだったし、その後の後楽園や鬼門のディファ有明もまあまあの観客動員をしたので、新日が業界をリードしていく機運が盛り上がった。ディファは言わずと知れたNOAHの本拠地で、過去大失敗した会場だったが、例の雨トーークとのコラボ効果か、何とか盛り上がったようだ。じゃぁ、2.14両国も大丈夫だ。
…と思い、両国は見送った(俺が行かなくても大丈夫だ、って思った)。
しかし!朝青龍引退後の大相撲興行を思わせる「6,300人」という大失態であった。だったら「俺」が行くべきだったか?そうすりゃ「6、301人」になったのに…。
確かに寒いし、バレンタインデーだし、カードもイマイチ新鮮さがないし。メインの中邑vs中西も、予想通りの結果だし、後藤vs田中は見飽きた感もあるし、せっかくタッグタイトルを奪回したのに相手が知らないメキシカンだし、せっかくジュニアタイトル取られたのに丸藤出さないし…。まあ例年結構苦戦する興行ではあるが(小島vs天山の統一戦やカートアングルでも苦戦した)、やはり昔のように「雪の札幌2連戦」で事件が起きて、その流れの最終戦で盛り上がる、そういうパターンがいいのかも。

そういう情勢の中、日程表を見てみると3月5日が平日金曜日の後楽園だったので、「会社帰りにプロレス観戦」を実行できるチャンスだ。旗揚げ創立38周年記念大会とかで、本来大田区体育館でやっていた恒例大会だ。けど仲間の殆どが都合つかず3人で行くことになった。
これではいけない。
私は新日派であるが、2月22日にIGF(猪木の団体)が「猪木デビュー50周年記念大会第一弾」を水道橋JCBホールで開催する。ならば、3.5欠席組を誘ってみよう、本当にこいつら(失礼)プロレスファンなのか、JTの付き合いで「フリ」しているのかも確かめてやろう(爆笑)…という思いで声をかけたら、何と全員「気合入れて行きます!」と即答したではないか。みんな、いいヤツだな・・・疑って悪かった!

ということで都合6人で行くことになった。
さあ、ではチケットを入手しよう。前週の木、金が私が終日研修で会社にいないため、水曜日がリミット。本来なら水道橋界隈で座席を見てベストな席を確保するのだが、寒いし時間もない。なので会社から徒歩1分の「書泉ブックマート」へ行った。一応毎回チェックに行くが、ここはあまりいい席が割り振られていない。けど枚数が枚数だけにまずは行ってみたら「IGFは先ほど回収されました」と言われた。やべっ!すぐさまそこから徒歩30秒のチケットぴあに駆け込むと、まだ大丈夫とのことで、端の後の方ではあるが、無事入手した。
とはいえJCBホールって行ったことがない。
6人のうち何人かは後楽園ホールと思い込んでいた人もいたようだ。確か新日がZERO-1と抗争し始めの頃に乗り込んだ会場だったと思う。三田線水道橋駅の方だ。
席は「3階バルコニー」と書いてあり、最後列から2列目である。さぁどんな感じだろう。
で、当日定時を目指して黙々と仕事をしていると、事業部長から呼ばれた。「ん?異動か?」とは思わなかったが、何と「顧問○○士の○○先生からだ」と紙袋を渡されたのだ。この事業部長自体はどうやらファンではないらしいが、何日か前にチケットを配布している現場を目撃されているので、隠すことはないが、何故○○先生がJTごときに…と思ったに違いない。そう、この先生は以前プロレス放談会でご一緒した同士というにはおこがましい筋金入りの大先輩である。
前週19日金曜日に中野サンプラザで“闘魂トークLIVE50”というイベントがあり、そちらに参戦されたようで、貴重なお土産の数々の詰め合わせを(どうやら)法務室経由で届いたという次第。
…恐るべし、プロレス人脈!
その袋にはタオルやお守り、パンフレット、Tシャツ等が入っていた。
何というタイミング!まさか私が2.22に参戦するのを見越してわざわざお持ち頂いた訳ではないにしても…これで私も気合が入り、「今回は新日ではないし、観戦記はさぼろうか」という甘い考えを行く前から改めさせられてしまった(笑)。
で、地下鉄で1駅、水道橋駅へ到着した。が、駅構内の地図や掲示板ではどっちに出れば良いのか書いていない。比較的新しい会場とはいえイベント会場なのだから、地下鉄側も気を使って欲しいところ。改札出た掲示板でようやく会場名を発見し、コンビニで食料を調達して会場入りした。
会場入り口でパンフレットと赤い闘魂タオルを配布している。何とサービスがいいのだろう!
パンフは頂いたものと同じものだ。しかしカードが載っているものではないのだろう、と思いきや表紙裏に小さく印刷されていた。IGFといえば「XvsX」とか「Coming Soon vs Coming Soon」だらけのカード発表が定例だったが、最近はパンフに間に合うように発表している。その昔は「Coming Soon選手は何人分試合するんだ?」と揶揄されたものだ。
選手や対戦カードの情報がなく、殆ど宣伝と猪木絡みの内容のパンフだったが。

さあ肝心の参加選手であるが、小川、ジョシュバーネット、プレデター、ネクロブッチャーらレギュラー陣と、藤波、木戸!、藤原、初代タイガーらレジェンド、ウルティモドラゴン、ミノワマン、高山、ボブサップ、佐々木健介…と結構な陣容である。
新日脱退して猪木と急接近している蝶野の名前がないな、と思っていたらTV解説で参加していたようだ。ひょっとしてひょっとすると朝青龍も来たりして…??
しかしビッグネームが大勢出ても、全般的に試合が締まらない。プロレスラーは試合してナンボ。以前藤田を破った蝶野が総合やK-1戦士に対して「レスラーは年間100何十試合やっている」と言い返してプロレスファンの溜飲を下げた。その総合で戦績を残した中邑は「一番すげーのはプロレスなんだよ」と人生のピークを迎えていたボブサップへ言い放ってプロレスファンの思いを熱くした。しかし、この大会に出ている選手は…プロレスラーなの?
“リアルプロレスラー”というミノワマンはプロレスできるの?
スーパーレジェンド達はともかく、他のレスラーは今年何試合試合したの?
大病、大ケガから復活したウルティモドラゴン、藤原も大丈夫なの?
…という不安がそのまま的中した。締まらない!
メイン終了後、小川に詰め寄られた蝶野が「もっとプロレス練習しろ」と怒鳴ったが、多分小川だけに言ったのではないだろう(そういう蝶野も練習嫌いなのは笑えるが)。
やっぱり練習量も試合数も多い新日の大会の方が面白いかな。

今後この団体はエース、ジョシュバーネットではなく、やはり小川が軸になって行くんだろう。けど健介はともかく蝶野vs小川って何かピントこないな…。

今後はあまり行く機会はなさそうだが、次回は締まる大会であることを望みます。


≪試合結果≫

【第1試合】 〇澤vs定
デビュー2戦目の定(じょう)は現役高校生らしい。今時坊主頭だ。
打撃合戦を繰り返すが若さで定がやや優勢も、澤は余裕で受け流す。逆十字からアキレス腱固めにとらえギブアップ。
まぁ、どっちが勝ってもいい試合だが、先輩が貫禄見せつけていい結末だった。

【第2試合】 〇タカクノウvs佐藤光留
猪木の大会常連の格闘家系タカクノウとメイド系?パンクラシスト佐藤の対戦。間接の取り合いの攻防が続く。ダレダレになるが体重差で優位に立ち、飛びつき逆十字で勝利。
第1試合に続きどっちが勝ってもいい試合だが、プロレスをやりたいのか、格闘技をやりたいのか、格闘技っぽいプロレスをやりたいのか…?当然プロレスをやってくれ!

【第3試合】 〇ウルティモドラゴンvsTJ
やっと有名な選手の登場。
唯一「X」で発表されたドラゴンの相手はTJ(注:私ではい)。以前新日に出場した経歴があるらしい。小顔でイケメンであるが、マネージャーを引き連れて「悪役」の設定だ。
ドラゴンも腕の大ケガから復帰しての参戦だが動きはイマイチ。しかしTJのマネージャーは何もしない。「マネージャー、手を出せよ」と観客から野次られる。ドラゴン得意のソバットから飛び越え式にアサイDDTを決め余裕の勝利。
マネージャー、何しに来たんだろう(笑)。

【第4試合】 〇エリックハマーvsダニエルピューター
また知らない戦士同士の戦いだ。
ダニエルはフロントスープレックスを多発する。ハマーもしぶとく耐える。一進一退の攻防の後、ダニエルがスリーパーから胴締めスリーパーに移行する。ハマーが締められている足をキメると何とダニエル、ギブアップ。
やっぱりどっちが勝ってもいい試合だった。

【第5試合】 〇ミノワマンvsネクロブッチャー
ミノワマンは年末のスーパーハルクトーナメント優勝者、即ち“超人”であり、“怪人”ブッチャーと一騎打ちだ。立場上負けられないが、リアルプロレスラーを名乗りながらリアルなプロレスやれるのかが最大のテーマか。
そんな素人プロレスラーにブッチャー噛み付き、凶器攻撃を繰り出す。場外戦で鉄柱攻撃浴びてブッチャー流血に。総合戦士の流血試合はなんだか異次元チック。館内盛り上がる。エアプレンスピンは自分も目を回してフラフラに。しかし観衆は“ネクロ”コールでブッチャーを支持する。ミノワマン、ブレーンバスター放つが決まらず、パンチを食らうが天龍チョップでブッチャー攻勢。しかし流血でヨレヨレのブッチャーは変形ヒールホールドにギブアップ。
試合後握手し抱擁。妙な幕切れだった。

【休憩】 「ここでスペシャルゲスト」というのでてっきり猪木登場と思いきや、トリプルPの登場。2人組みユニットなのにトリプル??猪木の「道」の詩をラップで歌い踊る。
休憩後はいよいよ猪木の登場。ガウンを着用してリングへ向かうがリング下で脱いでスーツ姿に。観客は入り口でもらった赤いタオルを振り回して出迎えた。
2月19日の闘魂トークライブで披露した「道」をサックス生演奏に合わせて熱唱した。「CD出して下さい」と常連ファンから声援がとんだが、ハッキリいって歌わなくていいのに。
中締めはお決まりの「1、2、3、ダーッ!」だ。

【第6試合】 △藤波、木戸vs△初代タイガー、藤原
藤原→木戸→タイガー→藤波の順に入場。それぞれのテーマ曲で重々しく入場するが、何故か藤波は人気薄。レジェンド職人4人のタッグ戦、見所満載なのだが10年前にやって欲しかった!
佐山は太すぎ。動きは速いがちゃんとカラダを絞って出て来い。二の腕は異常に太い(というかむくんでいる)。木戸は肌艶良過ぎ。しかもやや金髪で髪型を固定。藤原は大病の手術したためか全盛期のオーラはないが魅せるポイントは外さない。唯一現役っぽい藤波は体はつくっている。各人得意技は披露する。藤原一本足頭突き、佐山空中弾(みんな低め)、木戸脇固め…歓声が高まる。藤波はここはドラゴンリングインだろう!空気読まないと!藤原を木戸、藤波がアキレス腱に捕らえると佐山が踏みつける。太っているからインパクトある。その佐山もアキレス腱の輪に入り、グダグダな15分はタイムアップ。
普通“延長コール”だろう、と思いきやそのまま拍手で終わってしまった。もっと見たいような、見たくないような…。まぁレジェンド対決だからこんなもんか。

【第7試合】 〇高山vsプレデター
超大型ヘビー級同士のシングル戦。これぞプロレスだ。入場時チェーンを振り回して客席を荒らしてプレデターが入場する。
パワー合戦は超獣プレデター優勢。高山のバックドロップ、プレデターのアルゼンチンと大技の攻防も見ごたえある。高山、キングコングニードロップをかわすとニーリフトから超獣の巨体をエベレストジャーマンで激勝!
試合後プレデターは握手と見せかけチェーン攻撃で憂さ晴らし。

【第8試合】 〇ジョシュバーネットvsボブサップ
IGFのエースがかつての弟子に「オマエハモウシンデイル」宣言。そろそろ別のキメゼリフを覚えて欲しいところ。バーネットは昨年ヒョードルとの一戦直前に薬物反応の陰謀で大会そのものが消滅し、闘いの場がIGF位しかないようだ。一方サップはかつての日本でのブームが韓国で起きているようだ。しかし格闘技戦でも結果が残せず伸び悩んでいる。
バーネットが腕を取るたびに試合が終わりそうな空気になるが、サップも何とか持ちこたえる。バーネットはサップを場外に投げ飛ばすやTV解説の蝶野の座る本部席へ叩きつける。サップも甲高い奇声を上げて攻撃するがペースを握れず、ジャーマン気味のバックドロップで押えつけられゴング。
サップは中堅戦士に成り下がったのか…。

【第9試合】 小川、●澤田vs〇佐々木、中嶋
猪木の記念試合のメイン。弟子の小川はいいとして、相手が健介…何かピントこない。猪木との繋がりは薄いが、小川とも因縁が途切れている。その昔小川が新日マットで猛威を振るっている時代、総合格闘技に目覚めて渡米して頭をツルッパゲにして満を持して小川と戦ったが、短時間で無効試合。結構時の新日ファンは武闘派健介が小川を倒すんじゃないかと期待したものだ。それから約8年…。
お互いの弟子をパートナーにしたタッグ戦。大将同士でスタート。健介チョップ放つが小川もやり返す。健介はヘッドロックに捕らえ、バックドロップ食らうが離さない。結構有効だ。
次は弟子同士。澤田は元明大柔道部で小川の後輩だが空手出身の中嶋と蹴り合う。続いて健介、澤田のチョップ合戦。中嶋が小川に突っかかる。結構新鮮な組み合わせだ。しかし重いキックで小川が流れをつかむと「オレごと刈れ」で健介を捕らえる澤田にSTOを仕掛け、澤田が健介をジャーマンするところだが、澤田グロッキー。健介STKからラリアット。一度は返すが二度目は返せず。中嶋好アシストで小川を抑えた。試合後大乱闘も新たな標的健介に「トンズラすんじゃねーぞ」と因縁を深めた。
その後、解説席の蝶野へ悪態をつく。「パンツはいてこいって言っただろ」と詰め寄ると、しばらく沈黙していた蝶野に更に文句をつけると「お前、俺に何か言ってきたのか?何か言うなら届くように言え」とやや苦しい言い訳。蝶野は新日との契約更新をしなかったが、その最大の理由が体調を戻して業界の復興に寄与する、というもの。猪木に近寄るのもその手段だった。なので試合をやることはなかった訳だが「俺とやりてぇのか?」と返すと「やりてぇからここにいるんだろ」と小川が対戦の意思を表示した。蝶野は「あれがプロレスか?もっとプロレス練習しておけ」とダメ出しも「いい返事、ありがとう」と返した。
本大会では唯一緊張感を持って観戦できた試合だった。きっと蝶野のダメ出しは、この試合にではなく、本大会通しての蓄積した思いが出てしまったのだろう。
IGFで小川vs健介、小川vs蝶野…ちょっぴり微妙だが、これにバーネット、高山が絡んで行くと楽しいかも。
最後は猪木が「一寸先はハプニング」からやっぱり「ダーッ!」で締めた。これをやれば締まらない大会も締まる(苦笑)。
やっぱりレスラーは試合してナンボ。コンディションを整えて「いつ何時」でもいい試合をしなければプロじゃない。「ダーッ!」なしで締まる大会にしないとネ。


以上