14.8 G1 観戦記
5月31日と6月1日の土日はまだこの時期なのに…とにかく暑かった。
暑いといえば夏、夏と言えば…「日本の夏、G1の夏」「日本の夏の風物詩」と真夏の日本を熱狂に包む新日本プロレスの“G1 CLIMAX”が今年も開催された。
例年お盆の日曜日に両国で優勝決定戦が行われる。春や秋の両国の集客には苦戦していても、その日は超満員間違いなしの安定したビッグ興行だ。すっかり観客もレギュラー化している感もある。そういう大会は強い。正に「継続は力なり」である。
それが今年は勝負をかけて、何と“安パイ”両国を見送り西武ドームに進出である!。先の横浜アリーナが7,800人と満員にならなかったことを考えるとかなり大きなカケになってしまうが、果たして“金の雨”は降るのだろうか…?。横浜にしても所沢にしても水道橋や両国から離れているので、そういう馴染みのない会場へ繰り出す習慣のない保守的な?!プロレスファンは「どうしよう?」「行く~ぅ?」となりがちだ。最近はライブビューイングも並行しているが、やはり生観戦に勝るものはない…(けど遠いな)。
今年は北海道から始まって東北各地を連戦する。8月1日は後楽園だが、その後も愛知や大阪を巡業し、横浜文体を経ての西武ドーム…ん?!都内開催が後楽園1日だけである。例年は両国2連戦だったり、後楽園も2戦やったり、更に代々木でもやった年もあったのだが…。間違いなく後楽園はプラチナチケットになる。
これはもうYTR選手に頼むしかない。
そこで一般発売前の5月下旬某日、YTR選手のお店EBRIETASへ繰り出したが、その日の同行者は水道橋が初めてなので行く前にすぐ近くの闘魂ショップを覗いてみることにした。
あれ?!何とそこにYTR選手がいるではないか!!!。「あれ?どうしたんですか?」と聞くと「8.1のチケットが入手できなくて…」と何と闘魂ショップに所属の出場選手が根回しに来店していたのである。
しかもいつもは予約を受け付けている同ショップも8.1ばかりは受けないようにしているという。YTR選手も困って事前予約受付をしている「ファンクラブに入会しないとならないんですかねぇ~」と冗談半分で言うが残り半分は途方に暮れている状態。
ヤバい。どうやら一般発売初日に並ぶしかないようであるが、その日は6月1日日曜日である。
当然8.1後楽園は神保町軍団ツアーを組むつもりで、チケットはYTR選手か闘魂ショップで“根回し購入”を考えていたというのに…どうやら両作戦ともNGである。
やむなく軍団のヤングライオン氏に発売初日に休日出動を委託した(注:強要はしておりません)。何しろ2ヶ月前である。事前告知はしているものの何人になるかははっきりできないので「10人分キープして」とアバウトな指令をだしたのであった。
その当日、ソワソワしていたJTのもとにヤングライオン氏から電話が入る。「安い方の席はまとまって取れないので1万円の特リンの席しかありません。しかも東と西で5枚ずつ…」との相談だ。予算より高い席だが、G1だよな…「いいよ、押さえちゃって!」とUインターとの抗争が激化した際の長州が東京ドームを押さえる決断の速さと同じくらいの即決をしたのであった。
8月最初の金曜日、そう、この日はG1後楽園。すぐに8人の参戦表明をもらえたが、残りは大苦戦。毎年参戦してきたメンバーも何人か都合がつかず、しかも最初に名乗り出たメンバーが直属の上司の送別会の幹事をやらなければならなくキャンセル。さすがにこんな“プラチナチケット”を余らす訳にはいかない、という過去に例のないプレッシャーを感じつつ、一時YTR選手に「もし余ったら…」と打診もしたものの、何とか10人確定した。
ヤングライオン…いや、もう立派な中堅選手…いやいやメインイベンターに飛び級ものである。感謝感謝。
さぁ、次は優勝戦の西武ドームであるが、行き方もよく分からなければどの辺の席なら見やすいかも分からない。反省会もどこでやるのが良いか悩む。YTR選手や闘魂ショップに相談しても「行ったことないので」とらちがあかない。昔の西武球場のサザンのコンサートに行ったことはあるがその時は確か車で行ったしそもそも記憶にない。いずれにしてもアリーナは割高だし平らだとリングが見づらいのでバックネット裏のボックス席にした。
確かに前年は札止めで入りきれないファンも多数いたそうであり、主催者としてはより“大きな箱”を用意しないとならないのであるが、所沢とは…。国技館サイドも予定していただろうに…。と思っていたが当日は中学生相撲大会?!。もしかしたら翌週17日に入ると思っていたのだろうか(その日はDDTプロレス!)?。せめて武道館とかでも良かったのではないだろうか…。
ドームをある程度埋めるにはそれなりの大物ゲストが必要である。そうはいってもNOAHや全日本も外に出ている状況ではないし、IGFと距離を置きそうな言動をしていた藤田が来ればインパクト大だが連戦慣れしていないのでどうなのか…。武藤や高山でもドームだけ呼ぶのか?。
新日の出した答えは「現在進行形」の所属レギュラー陣での勝負だった。当然王者JT…ではなくAJスタイルズも参戦だ。飯伏の欠場は誤算だったが代役は大人気本間。中西は今年も欠場だがヘビー級主力選手が22人集結した「空前絶後」の規模である。が、ドーム大会だけはROHのよく分からない選手の特別参戦や、新団体GFWとの業務提携調印式と…およそ「お目当て」にならない発表があった。例年だと最終戦もリーグ戦があり、誰が優勝戦に残るか分からない状態で当日足を運ぶのであるが、今年は8日横浜大会でリーグ戦が終了し、しかも例年のような“準決勝”がない。つまり当日前には優勝決定戦のカードが決まっているのだ。これは混戦で決定戦をやるパターンなのだろうか?…でないとすると、ドームを埋めるカードにしないと当日券が売れなくなる。BULLETと鈴木軍のガイジン決戦ではいくら人のいい新日ファンでも怒るだろうし…。
そんな期待と不安を抱きながらもやっぱりG1はG1である。
プラチナチケットの8.1後楽園大会のメインは中邑vs石井である。これは後楽園的には大爆発できる好カードであるが、何とWエースの棚橋とオカダが欠場である。どっちか出せよ!と舐められた感もあるが、地方大会に金の雨を降らせなければ…ということか。
《8.1 後楽園ホール》
【第1試合】〇小島vsベンジャミン:大人気小島の剛腕ラリアットで激勝。
【第2試合】矢野vs〇アーチャー:「ヤノ、トォ、ルゥ」未遂も「ランス、アー、チャー」は成功させブラックアウトの大技炸裂。
【第3試合】高橋vs〇アンダーソン:BULLET同士対決をガンスタンで決着。
【第4試合】〇スミスJr.vsギャローズ:大型ガイジン対決をサソリで制す。
【第5試合】〇天山vs後藤:アナコンダマックス葬で場内異様な大歓声。
【第6試合】本間vs〇ファレ:大コケシ・コールもYTR選手も笑ったバッドラックフォールに撃沈。
【第7試合】〇真壁vs内藤:顎を負傷した真壁が声援を集めキングコングニー葬。
【第8試合】鈴木vs〇AJスタイルズ:指まで関節地獄に追い込むが必殺スタイルズクラッシュ爆発。
【第9試合】〇永田vs柴田:大打撃戦も意地のバックドロップホールドでねじ伏せた。
【第10試合】〇中邑vs石井:CHAOS対決も大激闘となるが滾るボマイエで幕。
一大会で10試合という試合数は見ている側も相当疲れる。しかも全戦ヘビー級のシングル戦。息抜きの6人タッグ戦やジュニア戦士の華麗な戦いもないのだ。
第1試合から小島が登場し館内もいきなりヒートアップする。一番盛り上がったのは天山の勝利後で、永田勝利もそれにかなり近いものがあった。第三世代への応援は「きっと負けちゃうよな」という本間への歓声のような?判官びいきもあるが、ずっと昔から応援してきた選手への敬意もあろう。但し天山人気は優勝決定したかのような異様な大テンザン・コールであった。まだ第5試合なのに…。急遽地上波枠でも放送したほどであった。第三世代に対抗したのは鈴木が王者AJを追い詰めた試合とメインの一戦か。Wエース不在の大会で、且つレベルの高い後楽園ホールの観客も大満足で帰路につけたのではないか。
反省会はYTR選手のお店EBRIETAS。アーチャーの大技ブラックアウトで轟沈したYTR選手が既にお店に先着していた…(あれっ?)。早速試合の放送を見せてもらえたが、YTR選手が自身が受けた大技以上に衝撃が大きかったファレのバッドラックフォールで撃沈した本間選手を見て、「これはヤバいっしょ!」と思わず笑ってしまっていた。えっ、笑うところー?と思うもプロが見てのそういう反応なので大丈夫なんだろう。さすがレスラー。
《8.10 西武ドーム》
【第1試合】〇田口、タイガー、小島、天山vsデスペラード、●TAKA、スミスJr.、アーチャー:謹慎明けのタイチがセコンドにつくも新日本隊の勝利で幕開け。
【第2試合】●BUSHI、中西、永田vs〇高橋、ギャローズ、ファレ:顎負傷の真壁代役のBUSHIも高橋のマイアミシャインに沈む。
【第3試合】YOSHI-HASHI、〇桜庭、矢野vsベンジャミン、飯塚、●鈴木:すっかり矢野の正妻になった桜庭が因縁のみのるのレフェリー暴行で反則勝ち拾う。
【第4試合】●キャプテン、ライガーvs〇ベネット、コール:ROH軍巨乳女子マネージャーのマリアがキャプテンの顔を巨乳に押し付け戦力奪う作戦的中。
【第5試合】IWGP Jr.タッグ 〇シェリー、KUSHIDAvsフィッシュ、●オライリー:ROH軍の挑戦を受け激闘を繰り広げるが最近こだわりのホバーボードロックで防衛成功。
《GFW業務提携調印式》:ジェフジャレットが代表のGFWとの提携調印式。極めて礼儀正しいオーナーだ…。また15年1月4日東京ドーム大会開催が発表された。
【第6試合】〇内藤vs本間:コケシに拘る本間に声援集まるがスターダストに沈む。
【第7試合】石井vs〇アンダーソン:肩を負傷した石井に高橋まで乱入。YOSHI-HASHIが応戦もガンスタンで轟沈。
【第8試合】後藤vs〇柴田:タッグでぎくしゃくしていた同級生対決は妥協なきGO2スリープからのPKで幕。仲よく肩組んで引き上げた。
【第9試合】〇棚橋vsAJスタイルズ:2位同士のいわば3位決定戦。スタイルズクラッシュをクルリと切り返した。試合後BULLET軍にジェフが合体しギターで棚橋を一撃。
【第10試合】G1 CLIMAX 24 優勝決定戦 中邑vs〇オカダ:執拗な逆十字や背後からボマイエを放つ中邑も正調ボマイエも返され、最後は変形レインメーカー連発からの正調レインメーカーでオカダが中邑越えを果たす。
この日は優勝戦と2位同士のシングルが事前に発表されていたので「どうせカードはタッグマッチの嵐」と思われたが、スペシャルシングルマッチが他に3試合行われた。ジュニア戦士やガイジン絡みはG1シリーズの流れからすると違和感があるが、スペシャルシングル戦も強引なカードだった。リーグ戦全敗の本間は前年覇者内藤との一騎打ち。きっと最後に公式戦ではないが勝利を収めるのだろう…と誰もが思ってみていたが、内藤も意地を見せたのは立派だった。ただ会場人気は圧倒的に本間に集中したので…内藤が“主役”になるのはまだまだ遠い。負傷した真壁はタッグ戦を欠場した。が、石井は出場した。公式戦でもないのに果敢に立ち向かった。しかもセコンドの介入で追い打ちをかけられ必然的に歓声を集めるも、やはり見ていて痛々しい。
第3試合はすいている客席から登場した飯塚は入場シーンを盛り上げてくれたが鈴木軍入りして以来、野上アナを襲わなくなったのは何故だろうか?。試合は今時珍しい反則決着の不完全燃焼も、G1に出ない桜庭への鈴木みのるの怒りが止まらなかったのだろうか?YTR選手、もっと桜庭にプロレスを教えておいてください(苦笑)。
ジャレットは今後どう関与してくるんだろうか?新団体GFWのオーナーとしてなのかBULLET軍の総帥としてくるのか。それにしても勝った棚橋にエアギターも「愛してま~すっ!」もやらせなかったのは、ドーム興行としてはいかがなものか…。
そして優勝戦。これは恐らくファンが一番見たかったカードだったろう。試合内容も先輩中邑がキャリアを生かして厳しく攻め込み、それに耐えるオカダが最後に必殺技で大勝利を収める…という素晴らしい攻防だった。外道の「ルェ~~ヴェルが違うんだよ」も磨きがかかり、オカダ自らもマイクで中邑を称え、最後は業界に潤すことを宣言して喝采を浴びた。また“権利証”を要求して1.4東京ドームでIWGP王者に挑戦することになった。これでIWGPヘビー、IWGPインターコンチ、1.4IWGP挑戦権利証と3本柱で下期興行を走ることになる。
当日は台風の影響で観客動員にも影響があったかもしれない。(満員)もつかない18,000人。両国以上の観客を集めたといえば成功だが、やはり空席が多いのは寂しいものだ。ドームの“隙間”から雨風が降り込んでくる。ボックスシートは座り心地は◎だったがリングが遠い…その前に所沢はやはり遠い。念願の西武特急レッドアロー号に乗って行けば所要時間は大したことはないが、精神的な距離は遠いのだ。帰りは西所沢で反省会をしたが、仲間うちの多くが電車を乗り過ごしてしまった…。来年も西武ドームでやるんだろうか…。
まぁどこでやっても行きますけど!。
やっぱりG1は素晴らしい!!!。
今から来年の後楽園のチケット10枚予約させて!。
暑いといえば夏、夏と言えば…「日本の夏、G1の夏」「日本の夏の風物詩」と真夏の日本を熱狂に包む新日本プロレスの“G1 CLIMAX”が今年も開催された。
例年お盆の日曜日に両国で優勝決定戦が行われる。春や秋の両国の集客には苦戦していても、その日は超満員間違いなしの安定したビッグ興行だ。すっかり観客もレギュラー化している感もある。そういう大会は強い。正に「継続は力なり」である。
それが今年は勝負をかけて、何と“安パイ”両国を見送り西武ドームに進出である!。先の横浜アリーナが7,800人と満員にならなかったことを考えるとかなり大きなカケになってしまうが、果たして“金の雨”は降るのだろうか…?。横浜にしても所沢にしても水道橋や両国から離れているので、そういう馴染みのない会場へ繰り出す習慣のない保守的な?!プロレスファンは「どうしよう?」「行く~ぅ?」となりがちだ。最近はライブビューイングも並行しているが、やはり生観戦に勝るものはない…(けど遠いな)。
今年は北海道から始まって東北各地を連戦する。8月1日は後楽園だが、その後も愛知や大阪を巡業し、横浜文体を経ての西武ドーム…ん?!都内開催が後楽園1日だけである。例年は両国2連戦だったり、後楽園も2戦やったり、更に代々木でもやった年もあったのだが…。間違いなく後楽園はプラチナチケットになる。
これはもうYTR選手に頼むしかない。
そこで一般発売前の5月下旬某日、YTR選手のお店EBRIETASへ繰り出したが、その日の同行者は水道橋が初めてなので行く前にすぐ近くの闘魂ショップを覗いてみることにした。
あれ?!何とそこにYTR選手がいるではないか!!!。「あれ?どうしたんですか?」と聞くと「8.1のチケットが入手できなくて…」と何と闘魂ショップに所属の出場選手が根回しに来店していたのである。
しかもいつもは予約を受け付けている同ショップも8.1ばかりは受けないようにしているという。YTR選手も困って事前予約受付をしている「ファンクラブに入会しないとならないんですかねぇ~」と冗談半分で言うが残り半分は途方に暮れている状態。
ヤバい。どうやら一般発売初日に並ぶしかないようであるが、その日は6月1日日曜日である。
当然8.1後楽園は神保町軍団ツアーを組むつもりで、チケットはYTR選手か闘魂ショップで“根回し購入”を考えていたというのに…どうやら両作戦ともNGである。
やむなく軍団のヤングライオン氏に発売初日に休日出動を委託した(注:強要はしておりません)。何しろ2ヶ月前である。事前告知はしているものの何人になるかははっきりできないので「10人分キープして」とアバウトな指令をだしたのであった。
その当日、ソワソワしていたJTのもとにヤングライオン氏から電話が入る。「安い方の席はまとまって取れないので1万円の特リンの席しかありません。しかも東と西で5枚ずつ…」との相談だ。予算より高い席だが、G1だよな…「いいよ、押さえちゃって!」とUインターとの抗争が激化した際の長州が東京ドームを押さえる決断の速さと同じくらいの即決をしたのであった。
8月最初の金曜日、そう、この日はG1後楽園。すぐに8人の参戦表明をもらえたが、残りは大苦戦。毎年参戦してきたメンバーも何人か都合がつかず、しかも最初に名乗り出たメンバーが直属の上司の送別会の幹事をやらなければならなくキャンセル。さすがにこんな“プラチナチケット”を余らす訳にはいかない、という過去に例のないプレッシャーを感じつつ、一時YTR選手に「もし余ったら…」と打診もしたものの、何とか10人確定した。
ヤングライオン…いや、もう立派な中堅選手…いやいやメインイベンターに飛び級ものである。感謝感謝。
さぁ、次は優勝戦の西武ドームであるが、行き方もよく分からなければどの辺の席なら見やすいかも分からない。反省会もどこでやるのが良いか悩む。YTR選手や闘魂ショップに相談しても「行ったことないので」とらちがあかない。昔の西武球場のサザンのコンサートに行ったことはあるがその時は確か車で行ったしそもそも記憶にない。いずれにしてもアリーナは割高だし平らだとリングが見づらいのでバックネット裏のボックス席にした。
確かに前年は札止めで入りきれないファンも多数いたそうであり、主催者としてはより“大きな箱”を用意しないとならないのであるが、所沢とは…。国技館サイドも予定していただろうに…。と思っていたが当日は中学生相撲大会?!。もしかしたら翌週17日に入ると思っていたのだろうか(その日はDDTプロレス!)?。せめて武道館とかでも良かったのではないだろうか…。
ドームをある程度埋めるにはそれなりの大物ゲストが必要である。そうはいってもNOAHや全日本も外に出ている状況ではないし、IGFと距離を置きそうな言動をしていた藤田が来ればインパクト大だが連戦慣れしていないのでどうなのか…。武藤や高山でもドームだけ呼ぶのか?。
新日の出した答えは「現在進行形」の所属レギュラー陣での勝負だった。当然王者JT…ではなくAJスタイルズも参戦だ。飯伏の欠場は誤算だったが代役は大人気本間。中西は今年も欠場だがヘビー級主力選手が22人集結した「空前絶後」の規模である。が、ドーム大会だけはROHのよく分からない選手の特別参戦や、新団体GFWとの業務提携調印式と…およそ「お目当て」にならない発表があった。例年だと最終戦もリーグ戦があり、誰が優勝戦に残るか分からない状態で当日足を運ぶのであるが、今年は8日横浜大会でリーグ戦が終了し、しかも例年のような“準決勝”がない。つまり当日前には優勝決定戦のカードが決まっているのだ。これは混戦で決定戦をやるパターンなのだろうか?…でないとすると、ドームを埋めるカードにしないと当日券が売れなくなる。BULLETと鈴木軍のガイジン決戦ではいくら人のいい新日ファンでも怒るだろうし…。
そんな期待と不安を抱きながらもやっぱりG1はG1である。
プラチナチケットの8.1後楽園大会のメインは中邑vs石井である。これは後楽園的には大爆発できる好カードであるが、何とWエースの棚橋とオカダが欠場である。どっちか出せよ!と舐められた感もあるが、地方大会に金の雨を降らせなければ…ということか。
《8.1 後楽園ホール》
【第1試合】〇小島vsベンジャミン:大人気小島の剛腕ラリアットで激勝。
【第2試合】矢野vs〇アーチャー:「ヤノ、トォ、ルゥ」未遂も「ランス、アー、チャー」は成功させブラックアウトの大技炸裂。
【第3試合】高橋vs〇アンダーソン:BULLET同士対決をガンスタンで決着。
【第4試合】〇スミスJr.vsギャローズ:大型ガイジン対決をサソリで制す。
【第5試合】〇天山vs後藤:アナコンダマックス葬で場内異様な大歓声。
【第6試合】本間vs〇ファレ:大コケシ・コールもYTR選手も笑ったバッドラックフォールに撃沈。
【第7試合】〇真壁vs内藤:顎を負傷した真壁が声援を集めキングコングニー葬。
【第8試合】鈴木vs〇AJスタイルズ:指まで関節地獄に追い込むが必殺スタイルズクラッシュ爆発。
【第9試合】〇永田vs柴田:大打撃戦も意地のバックドロップホールドでねじ伏せた。
【第10試合】〇中邑vs石井:CHAOS対決も大激闘となるが滾るボマイエで幕。
一大会で10試合という試合数は見ている側も相当疲れる。しかも全戦ヘビー級のシングル戦。息抜きの6人タッグ戦やジュニア戦士の華麗な戦いもないのだ。
第1試合から小島が登場し館内もいきなりヒートアップする。一番盛り上がったのは天山の勝利後で、永田勝利もそれにかなり近いものがあった。第三世代への応援は「きっと負けちゃうよな」という本間への歓声のような?判官びいきもあるが、ずっと昔から応援してきた選手への敬意もあろう。但し天山人気は優勝決定したかのような異様な大テンザン・コールであった。まだ第5試合なのに…。急遽地上波枠でも放送したほどであった。第三世代に対抗したのは鈴木が王者AJを追い詰めた試合とメインの一戦か。Wエース不在の大会で、且つレベルの高い後楽園ホールの観客も大満足で帰路につけたのではないか。
反省会はYTR選手のお店EBRIETAS。アーチャーの大技ブラックアウトで轟沈したYTR選手が既にお店に先着していた…(あれっ?)。早速試合の放送を見せてもらえたが、YTR選手が自身が受けた大技以上に衝撃が大きかったファレのバッドラックフォールで撃沈した本間選手を見て、「これはヤバいっしょ!」と思わず笑ってしまっていた。えっ、笑うところー?と思うもプロが見てのそういう反応なので大丈夫なんだろう。さすがレスラー。
《8.10 西武ドーム》
【第1試合】〇田口、タイガー、小島、天山vsデスペラード、●TAKA、スミスJr.、アーチャー:謹慎明けのタイチがセコンドにつくも新日本隊の勝利で幕開け。
【第2試合】●BUSHI、中西、永田vs〇高橋、ギャローズ、ファレ:顎負傷の真壁代役のBUSHIも高橋のマイアミシャインに沈む。
【第3試合】YOSHI-HASHI、〇桜庭、矢野vsベンジャミン、飯塚、●鈴木:すっかり矢野の正妻になった桜庭が因縁のみのるのレフェリー暴行で反則勝ち拾う。
【第4試合】●キャプテン、ライガーvs〇ベネット、コール:ROH軍巨乳女子マネージャーのマリアがキャプテンの顔を巨乳に押し付け戦力奪う作戦的中。
【第5試合】IWGP Jr.タッグ 〇シェリー、KUSHIDAvsフィッシュ、●オライリー:ROH軍の挑戦を受け激闘を繰り広げるが最近こだわりのホバーボードロックで防衛成功。
《GFW業務提携調印式》:ジェフジャレットが代表のGFWとの提携調印式。極めて礼儀正しいオーナーだ…。また15年1月4日東京ドーム大会開催が発表された。
【第6試合】〇内藤vs本間:コケシに拘る本間に声援集まるがスターダストに沈む。
【第7試合】石井vs〇アンダーソン:肩を負傷した石井に高橋まで乱入。YOSHI-HASHIが応戦もガンスタンで轟沈。
【第8試合】後藤vs〇柴田:タッグでぎくしゃくしていた同級生対決は妥協なきGO2スリープからのPKで幕。仲よく肩組んで引き上げた。
【第9試合】〇棚橋vsAJスタイルズ:2位同士のいわば3位決定戦。スタイルズクラッシュをクルリと切り返した。試合後BULLET軍にジェフが合体しギターで棚橋を一撃。
【第10試合】G1 CLIMAX 24 優勝決定戦 中邑vs〇オカダ:執拗な逆十字や背後からボマイエを放つ中邑も正調ボマイエも返され、最後は変形レインメーカー連発からの正調レインメーカーでオカダが中邑越えを果たす。
この日は優勝戦と2位同士のシングルが事前に発表されていたので「どうせカードはタッグマッチの嵐」と思われたが、スペシャルシングルマッチが他に3試合行われた。ジュニア戦士やガイジン絡みはG1シリーズの流れからすると違和感があるが、スペシャルシングル戦も強引なカードだった。リーグ戦全敗の本間は前年覇者内藤との一騎打ち。きっと最後に公式戦ではないが勝利を収めるのだろう…と誰もが思ってみていたが、内藤も意地を見せたのは立派だった。ただ会場人気は圧倒的に本間に集中したので…内藤が“主役”になるのはまだまだ遠い。負傷した真壁はタッグ戦を欠場した。が、石井は出場した。公式戦でもないのに果敢に立ち向かった。しかもセコンドの介入で追い打ちをかけられ必然的に歓声を集めるも、やはり見ていて痛々しい。
第3試合はすいている客席から登場した飯塚は入場シーンを盛り上げてくれたが鈴木軍入りして以来、野上アナを襲わなくなったのは何故だろうか?。試合は今時珍しい反則決着の不完全燃焼も、G1に出ない桜庭への鈴木みのるの怒りが止まらなかったのだろうか?YTR選手、もっと桜庭にプロレスを教えておいてください(苦笑)。
ジャレットは今後どう関与してくるんだろうか?新団体GFWのオーナーとしてなのかBULLET軍の総帥としてくるのか。それにしても勝った棚橋にエアギターも「愛してま~すっ!」もやらせなかったのは、ドーム興行としてはいかがなものか…。
そして優勝戦。これは恐らくファンが一番見たかったカードだったろう。試合内容も先輩中邑がキャリアを生かして厳しく攻め込み、それに耐えるオカダが最後に必殺技で大勝利を収める…という素晴らしい攻防だった。外道の「ルェ~~ヴェルが違うんだよ」も磨きがかかり、オカダ自らもマイクで中邑を称え、最後は業界に潤すことを宣言して喝采を浴びた。また“権利証”を要求して1.4東京ドームでIWGP王者に挑戦することになった。これでIWGPヘビー、IWGPインターコンチ、1.4IWGP挑戦権利証と3本柱で下期興行を走ることになる。
当日は台風の影響で観客動員にも影響があったかもしれない。(満員)もつかない18,000人。両国以上の観客を集めたといえば成功だが、やはり空席が多いのは寂しいものだ。ドームの“隙間”から雨風が降り込んでくる。ボックスシートは座り心地は◎だったがリングが遠い…その前に所沢はやはり遠い。念願の西武特急レッドアロー号に乗って行けば所要時間は大したことはないが、精神的な距離は遠いのだ。帰りは西所沢で反省会をしたが、仲間うちの多くが電車を乗り過ごしてしまった…。来年も西武ドームでやるんだろうか…。
まぁどこでやっても行きますけど!。
やっぱりG1は素晴らしい!!!。
今から来年の後楽園のチケット10枚予約させて!。