17.4.9 両国大会

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SAKURA GENESIS 2017

“春の最強挑戦者決定トーナメント”ニュージャパンカップ(NJC)は柴田の優勝で幕を閉じた。
NJC覇者は3大シングル王者に挑戦できる選択権が与えられるが、もちろん柴田はIWGPヘビー級に挑戦表明をした。さすがにインターコンチならともかくNEVERに挑戦するレスラーはいるはずもないので対象外にするべきではないだろうか…と毎年思う。NJCの公開記者会見でも誰一人「NEVERを狙う」というレスラーもいなかった。ただ今年はその王者に愛着と誇りを持つ柴田が優勝した。しかも時のNEVER王者は同級生ライバルの後藤だ。ひょっとしたら「NEVERに挑戦させて頂きます」と言うかも…という可能性は少なからずあった。が、春の両国でメインがNEVERではさすがに興行的にはマズい…。なのに未だに選択出来るシステムであるし、しかもこの日は前シリーズのタッグマッチでフォールを奪われたザックとの防衛戦を組むとは、もう3大タイトルとは扱うべきではないように思うのだが…。
以前この時期のビッグマッチは東京ドームであったが、今やすっかり両国大会が定着した。しかも毎年このパターンだ。しばらくは観客動員も厳しい大会だったが、今年も10,000人の大台はクリアした。
大会の構成としてはIWGPジュニア、IWGPヘビーとジュニアタッグの王座戦、NEVER6人タッグ戦などてんこ盛りで、一人蚊帳の外だったのがインターコンチ王者内藤だ。NJCにエントリーしようとしても見送られ、タイガーマスクWを対戦指名しても見送られ…この日も掛け値なく人気ナンバーワンだったが、タッグマッチでまさかの敗戦。勝てば「デ、ハッ、ポン!!」の大合唱も期待されたが自らフォールを取られるとは…。
第0試合ではヤングライオンが館内を沸かせた。久々に人数が揃ってきたので近い将来「ヤングライオン杯」も復活するのだろうか。
またノンタイトル戦であるが、この日のYTRは近年になくいい動きをしていた。計算され尽くしたクレバーな動きと観客を沸かせるツボを心得た戦術。一見不真面目に見えるが真面目に不真面目な戦いをしているのだ。後日本人にEBRIETASで「両国はとっても良かったです!よく働いてました(笑)!」と上から目線で褒めたたえると、涼しい顔で「そうですか」とほほ笑んでいた。
同じく館内を沸かせた=楽しませたのは「タグチジャパン」だ。「タグチジャパン」タオルをかざすファンが実に多いこと。残念ながらメインではないのでリング上での田口監督のコメントはなかったが、バカバカしい程笑ってしまう。これはこれでいいのだが、「ジャパン」なのにガイジンを常に起用している…のもいいか(笑)。
そしてメイン。最近のIWGP戦は30分を超える濃密な激闘が定番となった。「いつ何時誰の挑戦も受けない」オカダイムズからすると、機が熟して挑戦する価値のある相手と大会場で…なので1試合当たりの負担を大きくしているのだろうか。しかも昔のようにグランドの攻防やリング下にエスケープして時間をかけて体調を整える…なんてやらない30分なので、王者も挑戦者も大きな負担だろう。
この日も挑戦者が厳しく攻める。ジュニアの体格でも根性で互角に渡り合うのは更に身体に負担がかかる。あと一歩の場面もあったが最後はレインメーカーに屈してしまった。フラつきながらもどうにか控室に自力で帰った柴田だが、その後緊急入院で硬膜下血腫の手術を受けたという。本間に続いての戦線離脱であるが、あの柴田の身体に何が起こったのか…。再びリングに立てるかどうか分からないが、早く回復することを祈るしかない。勝者オカダはファレに襲われリング上でバッドラックフォールを食らい大の字になった。柴田が勝っていたらファレは柴田を襲ったのだろうか。もしそうなっていたら…考えたくもないが、怖い。
この春2年生になるWWEのナカムラはようやく1軍に昇格した。これからの活躍に目が離せないが、そのナカムラをして新日リングの過激になり過ぎたファイトスタイルに忠告をしているようだ。そういうWWEも何度も大事故が起きている。ナカムラこそ気を付けて欲しいが・・・。

【第0試合】〇フィンレー、ライガー、中西vs●北村、岡、川人:ヤングライオントリオが躍動し北村が野人をアルゼンチンで担ぐと岡もフィンレーを担いで共演もフィンレーが貫禄勝ち。試合後川人が恒例のライガーに突っかかったがライガー相手にせず。

【第1試合】●タイガー、タイガーW、永田、真壁vsオーエンズ、裕次郎、ロア、〇トンガ:裕次郎はPETERと入場。タイガーWは初の8人タッグ登場で場外へのムーンサルトを放つなど魅せるがオーエンズのアシストからトンガのガンスタンでタイガー沈む。

【第2試合】バレッタ、ロメロ、〇YOSHI-HASHIvs●TAKA、デスペラード、鈴木:早くも鈴木登場。ロッポンギヴァィスがいきなりのヘルズブルドーザーを食らわすが、鈴木軍にヨッシーが捕まる。一瞬のスキをついてカルマを炸裂!試合後鈴木が大荒れ。

【第3試合】IWGPジュニアタッグ ●邪道、外道vsタイチ、〇金丸:タイチは阿部未歩を連れて歌いながら登場。ゴング後WでクロスフェースオブJADOを決める。邪道が金丸に執拗にクロスフェースオブJADOをかけ続け、とうとうタップしたが、その間阿部未歩がレフェリーを挑発するアシストでタイトル奪取は幻に。最後はディープインパクトで防衛。試合後ロッポンギヴァイスが挑戦に名乗り。

【第4試合】矢野、●石井vsファレ、〇オメガ:矢野がブレイク連呼もファレは攻撃し矢野は逃げ回るもオメガと挟み撃ちにあったり、オメガが髪を引っ張り合ってレフェリーに怒られるたり、いつも以上にコミカルな展開。が、この日はコーナーポストを2ヵ所半分緩め、後から外して攻撃したりとクレバーな戦法で珍しく頑張ったが、片翼の天使で石井が憤死。

【第5試合】リコシェ、田口、〇ジュース、棚橋vsBUSHI、EVIL、SANADA、●内藤:棚橋はすっかりタグチジャパンの構成員に甘んじている。やはり一番人気は内藤だ。タグチジャパンは田口監督の指示通りに動くが連携はLIJに軍配か。最後は内藤がジュースを仕留めるところが、何とジュースが大金星ゲット!試合後内藤に挑戦宣言!

【G1日程発表】
休憩前に今年のG1の日程が発表された。7月17日札幌北海きたえーるから8月11、12、13日の両国3連戦の全19戦。2017年は大相撲以外には貸し出さない、とされていたが、無事にG1は両国開催となった。そういう意味ではこの日も借りられた訳だ。

【第6試合】IWGPタッグ ●小島、天山vsハンソン、〇ロウ:テンコジがウォーマシン相手に防衛戦。ハチャメチャな連携技で王者を追い込み合体技フォールアウトでタイトル奪取!天山再戦を要求。王者組は揃って深々と最敬礼で場内の拍手喝采を浴びる。テンコジは約束した「本間復帰まで防衛」ならず。

【第7試合】NEVER無差別 〇後藤vsザック・セイバーJr:挑戦者の体重が85kgとまさに無差別級。そんな軽量のザックのテクに後藤が翻弄され、蟻地獄に入り込む。更にデスぺ、鈴木の乱入で勝利の方程式が完成も、パワーで跳ね除け裏GTRから正調GTRで王座防衛!次は鈴木が挑戦か?!

【第8試合】IWGPジュニア KUSHIDAvs〇髙橋ヒロム:入場時に大きなバルーンがいくつも会場に舞い込む。先に入場したKUSHIDAがバルーンと共にヒロムにトペコンヒーロの奇襲。その後も場外戦で優位に立つ。ようやくゴングが鳴り今度はホバーボードロックで速攻勝負に出るが、耐えきったヒロムはエプロンパワーボムからTIME BOMB連発で2分弱の秒殺勝利!KUSHIDAは完敗。

【第9試合】IWGPヘビー 〇オカダvs柴田:NJC覇者の挑戦者柴田が先に登場。いつものように下を向いているが大歓声で迎えられる。オカダは両国では珍しい「金の雨」の中の登場。「男の根性を見せる」とファンの心を掴んだ柴田は猪木アリ状態、関節技、倒立、インディアンデスロックからの弓矢固め、コブラツイスト、卍固め…と猪木張りの昭和の技を繰り出しながら、あぐらでの張り合い、コーナードロップキックの打ち合い、ヘッドバットを敢行し、レインメーカーを胸を突き出して耐えたりと根性を見せるが、負けられない王者はきっちりレインメーカーを決め38分の激闘に幕。柴田はフラつきながらも自力で退場。オカダはファレの攻撃を食らい肩を借りて退場。ビッグマッチのメインの名勝負も「締め」がなく終了。

以上