11.5.3 福岡国際観戦記

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2011.5.3 レスリングどんたく2011 福岡国際センター


その昔、新日が福岡ドームで興行を開催する際に、ターザン山本週刊プロレス編集長(当時:今どこで何を…)が「密航せよ」と呼びかけた。
私は“4大ドームツアー”は名古屋も大阪も制覇したが、福岡までは行く余裕がなかったのだった。
それがその後の人生においてどれだけ後悔したことか(大げさな!)…。そう、以来ずーっと「密航せよ」というフレーズがひと時も頭を離れなかった(だから大げさだっちゅうの!)。
その後集客減の厳しい時代となり、結局福岡ドームで興行を打つことはなかったが、定着したのがこの「レスリングどんたく」だ。
今年は2月に台湾に(激安)旅行をしたこともあり、GWは国内に、できれば貯めたマイルで旅行しようと思っていた。
予約できる2ヶ月前にPCでトライしてみたが、何とかうまく予約が取れた。
本当は昔から行きたかった山口県(秋吉台~青海島~角島大橋)へ行こうとしていたが、山口宇部空港は便数が少ない。つまり特典航空券の予約できる絶対数が少ない。
ん?まてよ。GWといえば「レスリングどんたく」があるじゃないか!
という経緯で行くことにした(山口県情報は私のサイトを参照下され)。

この大会は新日の上半期最大の興行である。
メインはIWGPヘビー級タイトル戦。春のG1を制した永田は4月の後楽園で棚橋に敗れており、準優勝した中邑が名乗り出てのカードとなった。
直後には何とアメリカ遠征もある。夏はG1とその直後の3団体合同興行ALL TOGETHER(8.27日本武道館)がある。それらを見越してどういう方向に持っていくべきかがポイントだ。
ALL TOGETHERについては3団体の王者たちは口を揃えて「大会の趣旨から言うと王者が力を合わせるべき」とタッグ結成を望んでいるが、中邑は3団体の王者でタイトル統一戦にすべき、と対抗する。
“チャライ”と茶化されながらも名勝負製造機としてファンの支持を着実に集めてきている棚橋政権を引っ張るべきか、タイトル戦3連敗で敗れたら確実に価値が下がってしまう崖っぷちの中邑を悪党王者に据えていくべきか…いや王者奪取とともに正規軍に返り咲いて正統派王者としてALL TOGETHERの主役にするのもどうか?いやいや東北仙台で激闘で涙の防衛を果しアメリカ受けもするであろう棚橋の方がいいのでは…と答えが出ない。

さぁ、何はともあれ「どんたく」で通行止めになっている市内中心地から徒歩で抜け出しタクシーで会場に駆けつけた。開始20分前には到着したが、何とパンフレットが売り切れ!!まじかよー!東京から来たのに!!
ところが後日新日HPの闘魂ショップでパンフの情報を見たら「在庫無し」となっていたが、表紙の写真を見たら「ん?」4.19の後楽園で買ったやつじゃん!な~んだ、それなら持って行けば当日カードのスタンプ押してもらえたのに!(要は読んでなかった(^^ゞ)
けどある意味熱心なファンが多いことに喜びを感じてしまう。Tシャツやらグッズ売り場も大盛況だ。そのすぐ脇でひときわ人だかりがあるのだが、何と棚橋がサイン会をやっている(後述参照)。
タイトル戦を控えた王者がサイン会をするなんぞ、猪木の時代では想像もできないことである。それだけ本大会は重要だってことなのか。それにしても長い行列が出来ているのに一人一人丁寧に対応する王者は大したものだ。こういったファンサービスは悪党役の中邑ではこなせないだろう。

会場は大阪府立や横浜文体と同じような大きい体育館である。一面に入場ゲートを取り、収容人員的にはその分食われているが、結構埋まっている。発表は6,500人(超満員札止め)である。この数字は大阪府立や横浜文体より多く、客が入らない時の両国大会並みだ。
今年のG1も大事な開幕2連戦がこの会場だという。それだけ熱心なファンが多いということで、パンフ売り切れもやむなしか。
さすがにG1福岡大会は行かないが、後楽園2回、代々木2回、横浜1回、決勝が両国…その直後に武道館か。今年の夏は忙しいぞ(笑)。

何でもいいけど1階席が全て段差なしの椅子席だった。9列目に陣取ったが、通路隔てた2つ前の席のファン(家族連れの母親)が、ことあるごとに立ち上がる。試合後に写真を撮ろうとカメラを構えると
両手を高く上げて拍手する(写真に入るだろう!)。
「こっちは東京から来てんだぞ!」と思いながら一度だけ「座れよー!」と言ってはみたが聞いちゃいない。熱いファンといってしまえばそれまでだが、皆、マナーは守りましょう!

本大会は大盛況だった。
予感はあったが小島がTAKAとタイチに裏切られた。それはいいとして、何と鈴木みのるが乱入するとは夢にも思わなかった。
メキシコ帰りの後藤が棚橋に挑戦状代わりに頭突きを見舞った。
今夏の主役が後藤?
後藤もまだ未戴冠で後がない。
いやいや、そりゃないか?


【試合前】サイン会は何とタイトル戦控えた棚橋。4.19後楽園の時のバッドインテンションズ(バーナード&アンダーソン)の時にはなかった長い行列と写真小僧でごった返していた。

福岡市長がリングアナ調で元気に挨拶。「どんたく」は戦後復興祭だったので、「レスリングどんたく」は東日本の復興に向かういま、夢のカードで日本に勇気と夢と力を与えるのは、プロレスの使命だ!!…云々と。しかしいい声だし、盛り上げるし、何ともプロレス寄りな発言だ。と思っていたら九州朝日放送のアナウンサーでプロレスの実況をした経歴があるとか!

【第1試合】本間、高橋広夢、○中西vs●キラーラビット、邪道、外道
本間の異常な人気ぶりがおかしい。三上を差し置いて抜擢された高橋張り切る。中西が体格で圧倒し独壇場。野人ダンスから邪道外道を一人で投げ飛ばし、ウサギ跳び攻撃のラビットをアルゼンチンに捕獲。

【第2試合】●KUSHIDA、タイガーvs○タイチ、TAKAみちのく
タイチ不人気ぶりが板についてきた。タイガーのマスクはいだり自らロングタイツを脱いでもブーイング。レフェリーの死角をついて急所攻撃から合体みちのくメフィスト(アックスギロチンのような技)で疑惑の勝利。

【第3試合】●ファレ、井上、天山vs石井、飯塚、○矢野
お約束で飯塚場内を徘徊し野上アナのシャツ破りながら入場。野上アナは青い青義軍Tシャツも破かれ“裸ネクタイ”に。
井上天山正攻法で戦う。タックルで躍動する大柄なファレだが、石井がレフェリーを引きつけている間に飯塚のアイアンフィンガーから矢野の鬼殺し炸裂。試合後野上アナまた襲われる。

【第4試合】CMLL世界ミドル級戦○獣神サンダーライガーvsマスカラ・ドラダ
王者ライガーは白いマスクに白いコスチューム。地元のライガー応援シートの観客の横を通って入場。一方ドラダは赤いコスチューム。
ドラダはロープ上を歩いたり、ふわりと浮くプランチャ等メキシカンの動きで場内沸かせる。ライガー負けじとコーナーから場外弾放つが、その後ドラダのノータッチトペコンヒーロ、ムーサルトの空中弾連発でライガー場外カウントアウト危機もドラダの空中弾を膝じゃなく足先で迎撃しライガーボムから垂直落下炸裂。試合後両者健闘を称え合う。

【第5試合】IWGPジュニアタッグ戦 田口○デヴィットvs●ロメロ、リチャーズ
挑戦者は田口の真似して腰くねポーズやったり観客の真似して「レッツゴーデービー」ーとうけ狙うが実力者ぶりを発揮する。両者空中戦や派手な連係技を披露する。田口の“どどん”を防ぐと波状攻撃。パートナーをアトミックドロップの体勢に抱えながらコーナーの相手に投げつける妙な連携を披露するが、連携なら王者組が一枚上手。田口の三角跳びプランチャの間にデヴィット必殺のブラッディーサンデーで辛勝。

【第6試合】IWGPタッグ戦 アンダーソン、○バーナードvs●内藤高橋
タッグ志向の高橋とシングル志向の内藤に不協和音流れる。内藤今日もTシャツ着ながら闘う。バーナードの怪力パワーボムをエプロンの角に食らい19カウントで内藤リングイン。コーナーにも全力で振られロンリーバトルが続いてしまう。高橋、バーナードにボディスラムやジャーマン敢行も内藤捕まってしまう。高橋、更にバーナードをラリアットで場外へ落とすがまたも内藤攻めきれない。マジックキラーは高橋がカット。ようやく内藤Tシャツ脱いで負けじとバーナードにジャーマン!誤爆からマジックキラー食らうが何とか返すもバーナードドライバーは返す余力がなかった。最後高橋から三下り半突きつけられる。

ここでG1の大会発表。開幕はこ福岡国際センター2連戦。何と代々木第2体育館で2連戦。両国は決勝戦のみ。

【第7試合】タマトンガ、○後藤vs●橋、杉浦
スランプでメキシコ修行に1ヶ月だけ行ってきた後藤が過去一度も勝てなかったNOAHの王者杉浦とタッグ戦。新テーマ曲は勇壮な曲だが前奏が長い。トンガは序盤からスヌーカ殺法を繰り出す。橋との頭突き合戦はやや優位も場外でダメージ負う。後藤髪を切ったが戦い方は変わっていない。追っかけラリアットに拘る。が、切れ味が増した昇天改で橋撃沈。その間トンガが杉浦を分断。それにしても橋、体鍛えろ!

【第8試合】○永田vs田中
絶好調春男永田は福岡でも大人気。田中は最近標的にしている永田に異常な闘志を燃やす。強烈な打撃戦はやや永田優位も場外で机、椅子の反撃食らう。田中珍しく足四の字。永田左膝にダメージ食いながらコーナーからの攻撃に耐え、スライディングDも返す。白目式腕折から強引にバックドロップで引っこ抜き連弾、エクスプロイダーから必殺バックドロップホールドで激勝。

【第9試合】○真壁vs小島
対戦成績五分の決着戦。クリーンに1対1で勝負したい小島はセコンドのタイチを投げ飛ばす。タイチに大カエレコール。序盤は小島優勢。行っちゃうぞエルボーも成功させる。小島コーナートップからコジコジカッター。サポーター放り投げてからのラリアットは今日もかわされ反撃食うが腕に背中にラリアット乱発。真壁粘って袈裟斬りチョップで反撃し、スパイダージャーマンから必殺キングコングニー!圧勝。
試合後真壁小島に握手差し出すが小島拒否。真壁去った後TAKAとタイチが乱入、小島これを蹴散らすと何と鈴木みのるが小島にスリーパー!そこに真壁が舞い戻り、小島救出し今度は握手した。

【第10試合】IWGPヘビー級戦 ○棚橋vs中邑
王座戦3連敗の中邑は負けられない。人気はやや棚橋優勢か?両者への声援が乱れ飛ぶ。オーソドックスな展開から急に打撃戦に。リング下の中邑に棚橋エプロンから飛びつけば、中邑コーナーに棚橋据え付け膝をブチ込む。エプロンに上半身せり出した棚橋に中邑ニードロップ。リバースパワースラムは棚橋着地し反撃開始。コーナーからサマーソルト放つ。再び打撃戦は中邑の蹴りをキャッチしドラスクから四つ葉固め。中邑反撃からリバースパワースラムを今度は成功させボマイエ狙うが、逆にスリングブレイド、だるま式ジャーマン、ファルコンアロー食らう。ハイフライフローはかわし背中にボマイエ。腕ひしぎの攻防は棚橋何とかロープに逃げる。飛び付き逆十字はドラゴンスープに捕らえハイフライフロー!二発目はグーパンチ、コーナーからボマイエ狙うが棚橋ドロップキック、ハイフライフロー連弾で完勝。
試合後エアギター連発し"愛してま~す"で締めた後に後藤乱入し頭突き食らい挑戦を受ける決意をインタビュールームで発した。


以上