11.4.19 後楽園大会観戦記

  1. HOME >
  2. プロレス観戦記 >
  3. 11.4.19 後楽園大会観戦記
2011.4.19  NEW JAPAN BRAVE 2011  後楽園ホール

さあ、「平日後楽園」興行の開催だ。「仕事帰りにプロレス観戦」という何とも贅沢且つ効率的なチャンス
は年間に数回程度。4月最初の日曜日に後楽園でタイトル戦(棚橋vs永田)があったばかりなので、
まぁいつもの「後楽園プロレス」=「メインは6人タッグ戦」と予想していたが、神保町7人衆から
選抜4人の参戦となった。

話はチケット入手時に遡る。
前回の1.4のコラムで「スポーツも芸能もビジネスも日本は大丈夫か?」というコメントを書いた。
このままでは外国・ガイジンに乗っ取られ国力が低下する。どうなる日本?
どっこいプロレスは日本人が中心だ・・・というもの。
3月のとある平日に、時間を“調整して”水道橋まで出向いてチケットを入手した。
正規軍側の選手入場通路寄りの前から3列目!今までで最高に近い席だ。シメシメ。
とほくそ笑んだ約2時間後、大震災が発生した!
本当に「日本は大丈夫か?」になってしまった!!!
日本地理学会正会員の私としては(マジです)、東北~関東のみならず長野北部や富士宮など
各地で誘発された地震に「日本が壊れる~!」と震撼してしまった。
あのウミネコに餌をあげながら堪能した三陸リアス式海岸も、日本三景松島も、分厚い牛タンに感動した
仙台も、早くから注目して神田で味わった浪江ヤキソバの浪江町も、何度も強行日帰りで遊びに
行ったスパリゾートハワイアンズも、白砂青松遠浅なのに穴場的な海水浴場の勿来海岸も・・・
あぁみんななくなってしまうーーー!

実はこの日は全日本プロレスの石巻大会だった。スタッフは先に現地入りし、選手も大型バスで移動中
だったそうで、間一髪だったらしい。阪神経験者のTARU(一番の悪党)が先頭に立って皆を
避難させたとか。
いずれにしても被災された皆様、関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

そういえば、都内も九段会館が崩落し、我が神保町オフィスに近接する学士会館もちょっと地面に
異常をきたしている。「後楽園ホールも被害があった」と何かで見て、「えっ!」と思ったが
それほどのことでもなかったようだ。
それよりも福島原発絡みで節電生活になっており、文京区るホールは計画停電対象(当初)だった。
「これじゃ当分興行は見合わせだな」と思った。
しかし、3月21日に全日本が両国大会を節電モードで強行した。
前日予定していたドラゴンゲートは開催見送りしたが、被災した全日本が開催したことは意義があった。
多くのファンが集まり、義援金も結構集められたそうだ。
4月19日なら興行できるよな。行っていいよな。
そう、今日本のために何ができるか?
僕らは観戦すること位しかできない。
なら観戦しようじゃないか!
と強い意志で観戦したのであった。

今回はまたとないシャッターチャンス席。
今までデジカメや携帯で何度も何度もトライしては、いつも写したいタイミングでシャッターが切れない。
選手入場時に撮ろうとしても、たいがい通り過ぎるころになってしまったり。それも悲しい。
で、思い切って某社のトップモデルでシャッターがすぐ切れる機種(といってもコンパクトデジカメ)を購入した。
しかし、何ともうかつなことに12日頃からこじらせた風邪が一向に治らず、土日に撮影の練習を
しようと
思っていたが、最悪の体調になった。しかも試合前日は会社を休む羽目に。
とても試合観戦どころの状態ではなかったが、「今日本のためにできることは試合観戦だ」と言い
聞かせて参戦したのであった(あっ、その日は仕事もしましたよ)。結局カメラもぶっつけ本番。

さて、当日大きな記事が紙面(もち東スポ)を飾った。
8.27 メジャー3団体オールスターチャリティー大会開催。
皆さん、覚えてますか(産まれてましたか)?
1979年8月26日。
そう、あの伝説のオールスター戦。
東スポ主催の新日・全日・国際プロレス3団体興行。
今のようにしょっちゅう他団体の選手がリングに上がることなど皆無だった時代だ。
ガイジン戦士も基本的には交流することはなかったのだ。
またそれぞれテレ朝、日テレ、テレ東と専属契約していたためこんな夢の一夜も深夜のスポーツニュース
枠で5分程度しかやらなかった。
今でいうDVD発売、っていうのもなかった(と思う)。
当然詳細は各専門誌の特別増刊号のようなものを一通り購入して隅から隅まで読んだものだ(記憶にないが)。
会場は日本武道館。当時はまだ観戦する習慣はなく、友達に誘われたが何と断ってしまったのだ。
その友達は一人で見に行ったらしい。あ~ぁ、人生最大のミス!
馬場&猪木vsブッチャー&シンの伝説のメインに鶴田&藤波&マスカラスのトリプルドロップキック、
ラッシャー木村vsストロング小林の因縁の一戦、何故か坂口vsロッキー羽田、極道コンビもヤマハブラザーズもみんな出ていた。
8.27というのは、その伝説の日の「次」である。
日本が「次」に向けて歩き出すように敢えて27日にした、というのだが、恐らく夏休み最後の土曜日に、ということだろう。
今のところ新日、全日、NOAHの3団体であるが、恐らく他団体も輪に加わるはず。
会場は同じく武道館。32年前はドームはなかったが、どうせなら球場でやればよかったのではないか?
しかし、何で電力事情の厳しい東京で、しかも帰省客が戻ってきている8月下旬にやるんだろうか。
それこそ普通なら東京ドームだろうが、ドームは屋内のため照明や空調に相当電力を消費する。
そうだ、だったら屋外の国立競技場で“夢の10万人興行”をやればいい。義援金も相当集まるはず。
現役3大王者に加え、武藤、蝶野、高山、鈴木みのる、船木、秋山、小川に小橋、もうみんな出て来い!
当然猪木も出て来い!
ガイジンも出て来い!ハンセン、ホーガン、バックランド、ブッチャー、ファンクス、マスカラス、ベイダー・・・現役組は良く
分からないが日本で出世したレスラーよ、みんな出て来い!無理に試合しなくていいから!
・・・なんてなったら収拾つかなくなるだろうな。

年内に仙台あたりで第2弾を検討中らしい。
いっそのこと北は北海道から南は沖縄まで主要都市でやっちゃえばいいのに!!!


≪試合結果≫
【試合前】 リングアナから地震が発生した場合の注意点の説明があった。しかしプロレスファンは大人しく指示に従うのだろうか・・・。「いいから試合続けろ!」とか野次るのでは?いや最近のファンは草食化している?から、混乱は起きないか・・・。

【第1試合】 ●高橋広夢、三上vs○タイチ、TAKAみちのく
甘いマスクでジュニア体型の高橋。名前からして弱そうだが女性ファンの支持を集めそう。方や三上は無骨な海坊主体型。どう見ても将来悪役か?一方相手はWWEでも名を残したTAKAと小島に加担しているタイチ。このクラスが相手なら強い。
高橋も意外に積極的に攻め立てるがプランチャを足を引っ掛け自爆し逆エビ地獄に。粘るが再度えげつない角度に捕らえられギブ。三上も感情むき出しで向かっていって良かったが、キャリアの差はいかんともしがたいか。

【第2試合】 ●キングファレ、タイガーvs○邪道、外道
ジュニアの中に大柄なファレ。さすがの名タッグも体格では圧倒される。タイガーの肌艶がイマイチに見えたのが気になるが・・・。キャリアの浅いファレはベテラン名コンビに翻弄され丸め込み連発からのクロスフェースオブJADOに捕獲されギブ。

【第3試合】 ライガー、○中西vs●タマ・トンガ、マスカラ・ドラダ
ジュニア&ヘビーチーム同士のタッグ戦。でぶっちょライガーはCMLLのジュニア王者をかけ5.3福岡でマスクマンのドラダを迎え撃つ前哨戦。対する陽気なサモアン、トンガがノリノリで攻め立てる。
ライガーとドラダは意識しあって空中戦で渡り合うが、調子に乗ってるトンガも野人ダンスからのアルゼンチンには逃げようがなかった。

【第4試合】 本間、アンダーソン、○バーナードvs●石井、飯塚、矢野
全員ヘビー級で全員悪党。入場も迫力がある。入場といえば飯塚、お約束の場外観客席をかき分けて、しかも一周する大サービス。場外大乱闘も各リングサイドでやってくれる。TVでは味わえな
い何ともいえない感覚。「わーっ、来たー。こえーっ」もあれば「あ~ぁ、面倒くさいな、一応逃げるか」もあるが、結局盛り上がる。
試合は乱闘の中、本間得意のコケシ(フライングヘッドバット)からタッグ王者のマジックキラーが炸裂。
試合後、野上アナを襲撃し、お約束のYシャツビリビリの刑に処した。

【場内発表】
次期BEST OF THE SUPER Jr.XVIII の出場選手の発表があった。他団体の大物参戦に場内大興奮に。

Aブロック:デヴィット、金本、タイガー、タイチ、邪道、リチャーズ、ハヤト、オメガ、TJP
Bブロック:ライガー、田口、KUSHIDA、外道、サスケ、TAKAみちのく、飯伏、佐々木、ドラダ

【第5試合】 ●KUSHIDA、田口、デヴィットvs佐々木大輔、オメガ、○飯伏
昨年のベストバウトを獲った4人に、TAJIRIの弟子のKUSHIDAとスーパージュニア初参戦の佐々木が入ったタッグ戦。ハイレベルな4人に2人もついていく。連携プレーや空中戦も次々に披露してくれる。
圧巻はオメガのコーナートップから場外へのケブラーダ。結構場外のリングと鉄柵の狭い空間にも関わらず、躊躇なく跳ぶ。デヴィットも異様に筋肉の張った太ももで跳ぶ。
新参の佐々木とKUSHIDAが存在感をアピールすべく張り切るが、善戦及ばずKUSHIDAが飯伏のフェニックススプラッシュで轟沈。

【第6試合】 IWGPタッグ王座次期挑戦者チーム決定戦 ●井上、天山vs○内藤、高橋
王者組が本部席で観戦の中、挑戦権を賭けた一戦。実績のあるNO LIMITに伸び悩む先輩井上と復帰後パッとしない天山の青義軍が挑むが、NO LIMITが余裕で試合を進める。内藤はTシャツのまま。何度か同士討ちで若干不穏な空気になるが、それもご愛嬌か。
天山の攻撃のたびに場内「シーッ、シーッ」と合唱し、モンゴリアンチョップを繰り出すと盛り上がる。カーフブランディングやニールキック、ダイビングヘッド、アナコンダバイス・・・一通り得意技を出すが、動きが鈍く足を引っ張っている。井上も意地で得意技のスタガリンブローやトライアングルランサーを呼応するが、Tシャツを脱いだ内藤のスターダストプレスを食らい、天山カットに入れず惨敗。
Tシャツ着たまま試合をするなんて昭和のレスラーが激怒するぞ、と思ったら最後に脱ぐとは!

【第7試合】 ●永田、棚橋vs○田中将人、中邑
後楽園のメイン級のカードがセミに。王者棚橋と春のG1&全日本のチャンピオンカーニバルを制した“春男”永田の強力タッグに、5.3でそれぞれ対戦する2人がタッグを結成しての前哨戦。
先発は棚橋と中邑。棚橋に切れた中邑が見境なくエルボーやハイキック、膝を打ち込む。永田は田中と絡むが場外で竹刀攻撃を食らってしまう。終盤延髄斬り、バックドロップを放つが乱入した中邑のグーパンチからスライディングD連打に絶好調春男が沈んでしまった!

【第8試合】 ○真壁vs小島
都内大会場のメイン級のカードが組まれた。小島のセコンドにはタイチが付き何かとちょっかいを出さんとするや場内大“かっえっれっ”コール。それでも絡もうとするタイチを小島が場外へ追い出した。
無骨な乱打戦で優位に立った小島は「行っちゃうぞバカヤロー!」で場内大合唱後に大ブーイングを浴びせられるが(ファンは応援してんのか、非難してんのか??)、かわされる。
小島のサポーターを放り投げてからの必殺ラリアットは真壁にこれもかわされ反撃を食らう。こだわりのスパイダージャーマンからのキングコングニーは小島がかわす。
真壁のラリアットがレフェリーに誤爆。その後タイチがパイプ椅子を持って乱入し小島ラリアットで優位に立つが、真壁冷静に逆パイプ椅子攻撃からキングコングニーで完勝。
場内“スーパースター”の大物食いに満足気に大声援を送った。

以上