13.7.5 後楽園大会観戦記

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2013.7.5 吉野家Presents KIZUNA ROAD 2013 後楽園ホール

前クールの米倉涼子主演の某ドラマで出てきた「便所飯」、読者諸氏はご存じだろうか。文字通り「個室便所で昼食を取る」ことであるが、一緒に食べる仲間がいないことを悟られたくないため人目につかない個室で食べる、というのだ。
また以前観月ありさ主演の「おひとりさま」というドラマもあった。こちらは逆に「一人ですが何か?」と開き直って堂々と行動していた。
さて今年のプロレス観戦は3月の後楽園以降行っていない。4月の両国もGWの福岡大会も欠場でした。そんな中、早くもG1のチケットが発売となり、YTR選手を頼って仲間の分をお願いできた。ふーぅ、一安心である。
しかしながら3月の次がG1ではブランクが長く体がビックリしてしまう(んなアホな)。その前に肩慣らししなくては、と7月の後楽園の開幕戦に参戦しようと思い2人ほど誘ってみると即快諾。あ~ぁ、一人じゃなかった…。その昔一人観戦を経験したが、やっぱり一人は寂しいものだ。
ついでに皆に恨まれたくないので誘ってみるとVIPメンバー2人を含み総勢6名になったのだ。ありがたいものである。しかしそうなるとチケットの手配が大変だ。YTR選手に相談しながら昼休みにチケットぴあに行くと、何と売り切れだった!開幕戦ならメインは6人タッグできっと観衆も1,300~1,500人くらいの集客だろうと余裕ぶっこいていたので、焦りに焦り書泉ブックセンター~水道場の闘魂ショップとその姉妹店チャンピオンをハシゴしたのだ。チャンピオンは東のB列7人掛けの席がまるまる空いている。いったん帰社してYTR選手に伺い立てると「会社(新日)の残りのチケットもあまりないのでそこを買った方がいいです」とのアドバイス。すかさず電話で6席分予約した。
その日の定時後チャンピオンに出向き、どうせなら7席全部買おうとしたが、電話してからの間に残りの1枚も売れてしまったようだ。
チケットを購入したのは6月13日だ。22日の大阪大会で外道がデヴィットに挑戦することになり、翌週に7.5後楽園のメインとして発表されたのでカード発表前にチケットが売れまくったのである。
試合当日、ブログにも書いたように(7月6日)名誉会長が先に到着されていたのであるが、両隣含め知らない輩が横一列いるのだ。揃いも揃って間違えるなんて!。そして7人掛けの一番端には「おひとりさま」が来ていました。決して「便所飯」ではないだろう…。

この日のメインは超満員大盛り上がりのIWGPジュニア王座戦、そう6人タッグではなかったのだ。しかも挑戦者が後楽園で異様な人気の外道。王者デヴィットがヘビー級王座を狙ってオカダへの挑戦を表明したのを受け、オカダが自分を売り出してくれた外道へ恩返しの意味で交換条件を突きつけたのだ。デヴィットはオカダ戦のためにその条件を飲んだのだが、当の外道はしばらくマネージャー業に徹していたので寝耳に水。しかも仮に勝っちゃったらシリーズ最終戦でオカダvs外道??。
またセミもメキシコCMLLタッグ王座戦に棚橋・ライガー組が挑戦。勝ったらどうするんだろう?。
この日のカード編成は他にも異変が多かった。
何と第1試合に天コジや矢野、飯塚、しかもSSマシンまで登場し、第2試合は中西、真壁、後藤、永田ら正規軍同士の8人タッグ。第3試合はGHAOSと鈴木軍の悪vs悪の6人タッグ、第4試合は中邑とソンブラの抗争からCHAOSと正規軍+ソンブラの6人タッグ、第5試合はCHAOSとバレットクラブの悪vs悪のタッグ、そしてセミのCMLLタッグ戦、メインの悪vs悪のジュニア戦…。
本来プロレスはガイジンvs日本人やイイ者vs悪役が基本だった。新日マットでも正規軍vsCHAOS、正規軍vs鈴木軍が軸だったところに最近CHAOSと鈴木軍が抗争してきたが、そこへ更にデヴィット率いるバレットクラブが入り込んで来た。デヴィットの狙いは当初は棚橋、というよりIWGPヘビー級王者。それがオカダになったのでCHAOSを軸に悪vs悪の構図が増えてしまったのだ。

ただ…悪役バレットクラブのメンバーの結成前のキャラは
・デヴィット…田口との名タッグAPOLLO55で“貴公子”と呼ばれた正義の味方
・アンダーソン…バーナード離脱後G1準優勝や後藤とのタッグ等準正規軍
・ファレ…永田率いる青義軍に属しほとんど試合も少なかったが飯塚に襲われた野上アナに青義軍Tシャツを差し出した好漢ガイジン
・トンガ…父親が元力士で元寮生。スヌーカ殺法で沸かせたトンガ戦士もCMLLタッグ王者で凱旋
…と全員イイ者だったのである。
それに比べると外道は邪道との名コンビでインディー時代から20年以上の年季の入った悪役だ。多分イイ者の経験はないのでは…。試合にはその差が如実に出て滑稽だった。デヴィットが悪ぶって仕掛ける反則攻撃もたやすくすスカされ、絶妙なお返しをする。そもそもデヴィットは“リアルロックンローラー”だそうで、エアギターを奏でる棚橋を“エアロックンローラー”と否定した(別に棚橋はロックンローラーではないけど…)。
そもそも悪役をロックで表現するあたりが“悪”ではない。確かに高校の頃「ロック」=「痛そうな服を着て奇抜な髪形をしている」=「不良」=「悪役」という方程式が成り立っていたが(笑)、実際やっている連中は普段地味だったりおとなしかったり…。
人を見た目で判断してはいけないよ、デヴィットよ!

《試合結果》
【試合前】
今シリーズ名の冠にもなっている吉野家とのコラボ丼が当たる三角くじが配られたのだが、開ける間もなくリング上では表彰式が…。中邑から手渡され、中邑もどきのフェイスマスクを被った軍団と一緒に記念撮影。…結構欲しかった!

【第1試合】SSマシン、小島、〇天山vs邪道、●飯塚、矢野
こんな豪華な第1試合は未だかつてあっただろうか?天山・小島はIWGPタッグ王者、飯塚・矢野はGHCタッグ王者(後日陥落)だ。しかもマシンまで登場。今日は野上アナはいないが飯塚は我々の席の後ろの隙間から入場。試合はアイアンフィンガー攻撃で反則裁定が下ったが、マシンもセントーンを敢行し、魔神風車の体勢に入るなど沸かせたし、矢野のコーナーポスト外しの速さも素晴らしかった!試合後また飯塚はすぐ後ろをかき分けて退場した。JT的には学生時代に蹴られた(猪木を皆で追っかけたら付き人だった飯塚にバックキックを食らった!)リベンジを果たせず…無念(笑)。

【第2試合】〇KUSHIDA、タイガー、中西、真壁vs●渡辺、キャプテン、後藤、永田
これまた豪華な第2試合。8人タッグのため中々リングインできない選手が多かったが、ようやく登場し張り切りファイトで攻勢に出て観客を「おっ!」と思わせた渡辺も逆十字に涙のタップ。永田も第0試合から繰り上がったが…桜庭戦が決まり動きがいい。タイガー…最近埋もれてるな。

【第3試合】●コズロフ、ロメロ、石井vs〇タイチ、TAKA、鈴木
ジュニアタッグと石井vs鈴木の前哨戦。タイチは怪我から復帰も相変わらず松葉杖を持参し攻撃にも使って「タイチは帰れ」コールを浴びるが、背中や膝にサポーターが見え痛々しい。最後は鈴木のゴッチ式パイルから“ローフライフロー”で勝利。その後石井が執拗に番外戦をしかけた。

【第4試合】ソンブラ、●本間、内藤vs〇高橋、田中、中邑
インターコンチ王者ソンブラと中邑、NEVER王者田中と内藤の前哨戦。入場時にテ〇ガを配りながら入場し、そのまま下ネタマイクで沸かせる高橋。我々の仲間もゲットしたが、そおっと手渡されたそうだ(笑)。試合はソンブラの完璧な肉体と最高のコンディションの空中戦を見せつけられ、内藤も声援を浴びるが最後は粘る本間が東京ピンプス食らい幕。試合後復帰間もない内藤が挨拶。赤毛はどうかな…。

【休憩前】
ここでG1参加選手が発表。注目は噂された柴田、ジュニアもヘビーも制圧狙うデヴィット、初出場の石井、そしてリングに登場した飯伏。場内大歓声。

【第5試合】●YOSHIHASHI、オカダvs〇ファレ、アンダーソン
昨年の1.4でお互いの凱旋試合で負け、しかも内容もしょっぱかったYOSHIHASHIはすっかり存在感がなくオカダとの差が開くばかり。如意棒を使うがインパクト無し。ファレは大きいがそもそも強さが出せていないが決め技グラネードで存在感示す。因みにこのファレとアンダーソンの二人はロックンローラーではないな(笑)。

【第6試合】CMLL世界タッグ王座戦:トンガ、●テリブレvsライガー、〇棚橋
唐突なタッグ王座戦。絶対王者組の防衛に違いない、と断言できそうなカードだ(笑)。「メキシコルールで行われます」とアナウンスがあるも試合途中まで何だかわからない展開。「あ~ぁ、タッチ不要なのね」と気づくのであるが、そう言わなきゃ分かりにくい。テリブレはヘビー級でタトゥーをする悪役で、試合中も握手を求めるしたたかさ。ファンもブーイング。慣れたルールも慣れないリングで必殺ハイフライフローに沈みまさかのタイトル移動劇。試合後は握手を求め勝者の手を上げファンの声援を受けた。喜ぶ新王者組も…今後どうする?

【第7試合】IWGPジュニア王座戦:〇デヴィットvs外道
何と“外道$札”が舞う中、相棒邪道とオカダが先導し、“レインメーカー邪道”コールで挑戦者が入場。王者はファレに肩車されながらそのままリングイン。冒頭にも書いたが慣れない悪党ファイトを仕掛けるが、外道のニヤケながらの反則攻撃に翻弄される。コーナーポストを外すも冠スポンサーの吉野家ポストを外してしまうあたりもプロの悪党じゃないな(苦笑)。更におかしいのはファレやアンダーソンが場外戦を仕掛けようとするが、レフェリーのチェックに従ってしまい手が出せない。やっぱりイイ人なのか。途中セコンドの介入があり、キレ気味のオカダが試合で出せなかった打点の高いドロップキックを披露するファンサービスもあった。大外道コールの中、外道クラッチや久々のスーパーフライを敢行してあわやタイトル奪取か?というシーンが何度も繰り返された。けど負けたら秋田でオカダへの挑戦が白紙になってしまうかもしれないデヴィットが底力を見せ、最後はブラディサンデーで防衛成功。
試合後オカダとマイク合戦。オカダが外道の敵討ちを宣言し、大歓声を受けた。

今回のメインは結果を見れば順当であったが、非常に盛り上がった。下手すりゃベストバウト候補に挙がるんじゃないかと思うほどである。それほどベテラン外道の戦いぶりが良かったのと、絶対勝てないとタカをくくって見ていた観客をいい意味で裏切った。プロである。けど翌日の新聞の扱いはひど過ぎだ。
バレットクラブはこのままではきっと長続きしないだろう…。本当の悪党がいない限り、路線変更した方がいいような気がする。CHAOS、鈴木軍の次では存在意義がないので、どちらかを排除する位の勢力にならないと…。
それにしても今日の後楽園は凄い空間だった。発表は「2,015人超満員札止め」だったが、入場通路脇にもパイプ椅子が並ぶ光景は記憶にない。先の大阪府立も入場ゲートを設置できない程の客入り。これはもう確実に黄金時代に近づいているのだろうか?“金の雨が降るぞ”を実現できたのか?今大会もカード発表前から売れまくっていたし…ん?ひょっとして吉野家の株主用の席がたくさんあったのか??

あの~。できれば平日後楽園の開幕戦は…普通にチケットが買えるようにして頂けないでしょうか(笑)。
えっ?こうやって煽るのが原因かな(爆)。


以上