10.8 G1 観戦記

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2010.8 G1 CLIMAX XX ~20th Anniversary~  

「日本の夏、G1の夏」「日本の夏の風物詩」・・・って毎年このフレーズで書き始めているが、業界では既にこのフレーズは死語か・・・。東スポにも週プロにも出てこないぞ!

それにしても今年の夏は暑い。“猛暑”とか“酷暑”とか毎日のように耳にする。30℃いかない日が涼しくも感じてしまう。“梅雨寒む”という日もなかったし、雨が降ると豪雨になる。室内で熱中症って訳分からん。
もはや東京は亜熱帯か?
2004年、天山が優勝した年のG1は、戦いは熱かった。しかし冷夏でとても半袖で出歩くような気温ではなかったが、「G1に長袖でいけるか!」と痩せ我慢して半袖で両国へ行ったものだ(当時も痩せてないが)。

今年の日程は何と後楽園ホールが2回ある!こりゃ“仕事帰りにG1”を堪能しないと。
6日(金) 後楽園ホール
7日(土) 大阪府立体育会館
8日(日) 愛知県体育館
10日(火) 横浜文化体育館
12日(木) 仙台サンプラザホール
13日(金) 後楽園ホール
14日(土) 両国国技館
15日(日) 両国国技館
両国は例年通り最後2連戦。土曜日は不入りだろうな・・・。その前に後楽園だし、そもそもお盆で都内のプロレスファンが一番都内にいなそうな3日間だし…。去年は大阪2連戦があったが今年は1戦。仙台大会が入ったものの、横浜大会含め11日間で首都圏で5大会ではさしもの私も3回が限界だ(笑)。
昔は“両国7連戦”なんていう強行日程もほぼ満員を動員した黄金期もあったけど。あぁ古き良き時代~。

さて、今大会の外敵はというと流れからいうとNOAH勢とTAJIRI、田中将斗らか、と思っていたが、TAJIRIも田中も外れた。TAJIRIはてっきりG1睨んで新日に舞い戻ったと思ったが(棚橋と急接近)。NOAHからはIWGP挑戦した次代のエース潮﨑と新日ジュニアを引っ張ってきた丸藤となった。しかし挑戦失敗したばかりの潮﨑が優勝したらまた挑戦?ジュニア王者をデヴィットに奪われた丸藤が参戦?とやや無理があるが、まあ役者的には申し分ない。けど丸藤に負けたヘビー級戦士は面目ないだろうな…。他の外敵は筋肉マンのストロングマンと、何と全日退団し手術したばかりの小島だ。そういえば皆忘れかけていた天山の復活参戦も流れた。相当悪いんだろうな…。蝶野も復帰せず。ついでに飯塚も出ず。
恐らく今年は“中邑初優勝”に違いない。直前で王座挑戦に失敗したとはいえ今年は中邑だろう。第三世代の健闘にも期待をかけたいし、内藤・高橋がシングルでどこまでやれるのか、矢野、井上、カールアンダーソンは大ブレークするのか、決勝はお約束通り新日vs外敵で新日戦士が優勝なのか…。と思いを巡らせるのもG1の醍醐味である。あっ、けど金を賭けてはいけませんよ!お相撲さん!
そんな中、直前で丸藤の欠場が決まった。けどなかなか代役が決まらない。当然NOAH勢かと思っていたが、誰も何も言わない。そりゃこの暑いのに何も他団体のために試合したくはないだろうが…。ZERO-1は 火祭りがあるし、う~ん、吉江でも出ろよな!とか思っていたら丸藤を倒してジュニア王者を新日に奪回したプリンスデヴィットに決まった。そういえば毎年ジュニアリーグを制したらG1へ、という流れもあったっけ。
ということで各ブロック参加選手が決まった。
Aブロック 真壁 GBH   Bブロック 後藤 新日軍
     棚橋 新日軍        永田 青義軍
     中西 新日軍        井上 青義軍
     アンダーソン 外人       バーナード 外人
     矢野 CHAOS        中邑 CHAOS
     内藤 CHAOS       高橋 CHAOS
     デヴィット 新日Jr      潮﨑 NOAH
     ストロングマン CMLL     小島 フリー
優勝経験者はAブロック3人(中西、棚橋、真壁)vsBブロック2人(永田、後藤)とはいえどうみてもBブロックが激戦区だ。
各ブロック最終日までリーグ戦が組まれており、各選手1日はオフ(といってもタッグ戦)。このクソ暑い中、連日に渡りシングルを戦うのは並大抵のことではない。しかも最終日はリーグ戦を戦い抜いた後、各ブロック1位同士による優勝決定戦となった。例年は前日までに予選を終え、最終日に両ブロック2位までの選手が優勝を争うパターンだったので、それ以外の多くの試合が消化試合だったが、そういう意味では最終日の多くのカードに注目が集まって良かったといえる。しかし、両ブロックとも混戦を極め、最終日試合開始前の時点でAブロックが真壁、中西、デヴィットが8点、棚橋が7点。Bブロックは8点に後藤、永田、中邑、潮﨑、小島の5人が並んだ。
○○選手が決勝にいくには◎◎選手と△△選手が負けた場合、××選手が決勝にいくには□□選手と▲▲選手が負けた場合・・・・・・と延々と説明を受けたが全く理解できない程だ。
故意か偶然か、最終日にリーグ戦が組まれなかった4人(バーナード、アンダーソン、ストロングマン、井上)は鼻から決勝にいかない前提だったのか?
そしてCLIMAXは・・・20回目の記念大会にして初の“外敵”小島の優勝で幕を閉じた。
小島が純粋な外敵かというと、元新日本だし、現在は全日本を退団したフリー戦士であるから何となく違和感が少ない。これが潮﨑だったら大問題である。
今大会は最近脇役になりがちだった“第三世代”が頑張った。小島だけでなく、永田も中西も最終日段階で優勝の可能性があった。また主軸の真壁、中邑、棚橋、後藤も残っていたし、外敵の潮﨑も残っていた。
デヴィットも白星配給役ではなかったし、台頭してきた内藤も盛り上げた。高橋は内容は良かったが白星に恵まれなかった感がある。いいかえれば最終日リーグ戦が組まれなかった4人だけがは期待通りダメだった。
それにしても小島優勝は自分でも言っていたが“奇跡”と言える。左腕の手術をして2ヶ月後の復帰試合で外敵にして優勝したのだから。

さて今後の流れとしては最終日に敗戦した真壁に乱入で挑戦権を強奪したZERO 1田中将人が次期9月 シリーズ最終戦でIWGPに挑戦が決定した。優勝の小島はその勝者と10月の両国で挑戦が決まった。

22日NOAH10周年記念大会が有明コロシアムで開催された(武道館はもう無理か?)。丸藤に煮え湯を飲まされ続けた新日ジュニア金本&タイガーがGHCジュニアタッグを強奪した。G1を制した小島はヨネに完勝。G1最終日に時間切れ引き分けで決勝進出をお互い阻まれた中邑と潮﨑の決着戦は何と潮﨑の勝利。
その前の20日、21日の両国はWWEの興行。2日間で2万人動員した。新日を卒業した山本が“ヨシタツ”というリングネームで日本公演の主役を張ったようだ。ん??2日間で2万人?G1より多いじゃないか!
(新日14日6,500人!+15日11,000人=17,500人)<(WWE20日9,120人+22日11,850人=20,970人)。
けどWWEの2日目はその割りにHP上の写真を見ると空席が目立っていたが??

それから8月17日に上海の友人(非プロレスファン)から「猪木が上海に飲みに来ている」という写メールが届いた。早速紹介した上海駐在員(本稿読者)へ転送するように頼んだ。すると翌日同じ写メールが当人からも届いた。「何しに来ているんですかね」というので東スポネタで「万博でプロレスをやるとか言ってたけど、まさかね」と返信した。が、その日の東スポの一面に大きく「猪木IGF武林風設立」と出ていた。その紙面を逆に写メールで上海駐在員に送った。やることが大きいね。

という流れでこの夏のプロレス界は動いてきた。
ちょっとNOAHが地盤沈下してきて心配だ。杉浦vs秋山で武道館を張れないとなるとG1帰りの潮﨑を次期王者に据えて新日に絡ませて“ワールドプロレス”に登場して行くしかないのか?
新日はまさか田中将人が王座奪取はないだろうが、全方位外交を宣言している小島を王者にしてしまうのか?菅林社長の「どの会場でも尋常じゃない人気だった」という発言かちょっと気になるが・・・。
ん??
ま・さ・かーーーー新王者小島に天山挑戦かぁ?


≪8月6日後楽園≫
【入場式】まずは欠場の丸藤が挨拶。その後選手一人ずつ入場。小島の人気が抜きん出ていたように感じた。因みにリングインしてくるっと回った際に優勝旗を立てる三脚につまずいて曲げてしまったこともあり、笑みをこぼしながら観客とコミュニケーションを楽しんでいる。復帰が嬉しいのだろう。トリは客席から優勝旗を持った王者にしてディフェンディングチャンピオン真壁。

【第1試合】井上vs○バーナード
ジュニアを卒業してイマイチパッとしない井上。体格が細い分気合は感じられるが08年初出場しながら昨年は出場できなかった悔しさを今年のG1にぶつけ、今が旬?の青義軍のステイタスを上げないと。しかし初戦から難敵バーナード。この二人は良く絡むが、井上お決まりの気迫のジャーマンを敢行し、逆十字を決めるが肉弾攻撃から逆エビに捕まる。スピアーを返すがネックハンギングボムで撃沈。

【第2試合】○中西vs矢野
毎年期待されながら序盤で負けが込んで早々に決勝戦線から離脱してきた中西。ずる賢い矢野にすかされて負けるパターンか?
入場後矢野の先制の水攻撃に怒った中西は空中弾でスタート。場外戦では矢野ペースになるが中西、野人ダンスからアルゼンチン。反則で返されるが大☆中西ジャーマンを炸裂させまともに激勝!
矢野の仕掛けにはまらず今年の野人は大暴れか?

【第3試合】○デヴィットvsストロングマン
ジュニア王者と筋肉マン、牛若丸vs弁慶の対戦。非常に分かり易い体格差。
デヴィットはお得意のノータッチトペを狙うがレフェリーが阻止すると場内ブーイング。めげずにプランチャを敢行するがスーパーヘビー級の筋肉マンはがっちり受け止め何と客席へ放り投げてしまった!前代未聞!それやっちゃまずいでしょ!!!デヴィットよりもお客さん大丈夫か??蘇生したデヴィットはレフェリー越しに再度ノータッチトペを敢行するや場内拍手喝采。そういえば「レッツゴーデーヴィー(チャチャッチャチャッチャ)」という掛け声が飛んでいる(知らなかった!)。ノリまくったデヴィットはストロングマンの怪力殺法に苦しむが、フットスタンプから丸め込んで大勝利!

【第4試合】後藤、○田口vs小島、●サムライ
手術後の小島の復帰戦。いきなりG1本戦ではなくタッグにしてあげるのは新日も慈悲深い。
序盤は後藤と小島のG1戦士同士の張り手合戦、エルボー合戦が続く。がジュニア師弟対決に移行するやサムライの渋い攻撃が目を見張る。サムライもすっかりアメトークでブレークしてしまった。後藤は小島に水面蹴りを放つ。G1用の新兵器か?最後田口の必殺どどんをサムライ丸め込むが、2発目は返せず小島の復帰戦は黒星となった。

【第5試合】高橋vs○潮﨑
この2人は入門同期らしい。方や元GHC王者でイケ面のNOAH代表で、方やメキシコで成長してきたものの台頭してきた若手のイメージが拭えない期待のホープの小悪党。
高橋性格悪い攻撃をするが、意外と潮﨑もやり返す。“敵地”用のスタイルか?高橋トペで観客の酎ハイを飛び散らす。潮﨑も場外でも性格悪い攻撃をやり返す。高橋もパワー殺法でジャーマンまで繰り出すが、自力で勝る潮﨑の豪腕連発と決め技ゴーフラッシャーの前に撃沈。

【第6試合】棚橋vs○アンダーソン
エース棚橋登場にアンダーソンも観客をあおり盛り上げる。ここはタッグ屋アンダーソンも一発大物食いを狙いたい。
徹底した膝攻撃でアンダーソン優勢に立つが、場内の「ゴー!ゴー!タナハシヒロシ!(早口で)」コールで蘇生する。何だこのコールは?場内爆笑。見ると赤いTシャツ軍団が懸命に声援を送っている。こいつらとはその後の後楽園、両国でも確認できたが、何とオンエアした愛知大会にも参戦していたツワモノ達だ。お得意のエプロンからの逆上がりを阻止された。今日の“マシンガン”はシビアに攻める。しかしコーナーでの攻防で棚橋に突き落とされハイフライフローに万事休す、と思いきや、このタイミングで飛び込んでくる棚橋を“ガンスタン”が決まり、まさかの金星ゲット!こりゃ今大会の台風の目か?

【第7試合】真壁vs○内藤
IWGP王者にして前回大会優勝の本命真壁登場。相手は売り出し中のNO LIMITの片割れ内藤だ。ここは前の試合で波乱が起きたので連鎖が起きるのか?
真壁は序盤の攻防で大会前に痛めていたらしい肋骨を悪化させ劣勢も意地の肉弾攻撃で巻き返す。内藤はストレッチ技でねちっこく攻める。コーナートップからのフランケンシュタイナーから華麗にきりもみ式のスターダストプレスを放つが自爆。再度フランケンを狙うがパワーボムに返され虫の息。やはり王者の牙城とG1初参戦は若者には荷が重すぎか?必殺のキングコングニーで仕上げにかかるが、真壁痛恨の自爆で起死回生の高角度前方エビ固めで丸め込まれた。去年に続いて初戦黒星発進となったが、内藤も要マークになるのか?

【第8試合】○永田vs中邑
やっぱりG1は凄い。途中のタッグ戦以外は本戦のシングルマッチ。もうそろそろ観客も疲れてきたころだが、やはりメインは一味重みが違う。“ミスター”永田と本命中邑の登場に場内が沸く。キャリア、実績からすると格上のはずの永田ではあるが、中邑とは相性が悪く連敗中。場内もそんな永田を応援してしまう。逆に言うとそれだけ中邑の強さを認めているという感じである。中邑は膝攻撃を多用して厳しく攻め立てる。一方永田もバックドロップで流れを変え、逆膝攻撃、ナガタロックⅡで反撃。顔面キック合戦、エルボー合戦、スリーパー合戦から中邑またもや膝攻撃、リバースパワースラム連発。そして必殺のボマイエはかわされ、コーナー膝アタックをくらい2年前に負傷した因縁のコーナートップからのパワースラムを食らった。「あっ!」と思ったのは真面目なファンだ。サンダーデスドライバーで追い込まれるが背中に起死回生のボマイエを炸裂させる。その後エルボー、張り手合戦で膠着状態になると中邑グーパンチ放つと場内ブーイング。すっかりいい者永田は顔面へハイキック連発でお見舞いし、バックドロップホールドで完勝。試合後G1本戦では珍しくマイクで優勝宣言!


≪8月13日後楽園≫
【試合前】北側選手入場口横の最前列の招待席だ。入退場は近いが丁度リングはコーナーが邪魔な位置。まあ贅沢ってもんだ。しかし最近の携帯カメラは使えねぇ!シャッター押してから撮れるまでのタイムラグが長すぎる!(後日新機種をゲットしてしまった)
また、試合前に後藤がサイン会をやっている。それとは別に週プロ持参者に真壁が直接サイン入りポストカードを配布するイベントをやっていた。たまたま持っていた私は長蛇の列に並んでゲットしたが、サインはどう見ても印刷だ。しかし一人一人に手渡しては握手する真壁はけな気だ。全くキャラではないけど。しかし大事な試合前にいくらファンサービスとはいえストレスになるよな。ファンにはありがたいけど。まぁ、猪木は絶対やらなかったよな…。これも時代か?

【第1試合】○井上vs高橋
全敗同士の一戦。先輩ながら5連敗の井上は4連敗の高橋には負けられないところ。しかし青義軍を馬鹿にする実力者高橋はあざ笑うかのような上から目線。
高橋パワーで序盤攻勢も井上反撃に転じる。ブレーンバスターを前に投げ放つ。しかし若さとパワーの高橋は逆襲。ギロチン弾は井上返すがジャーマンを食らう。バックブリーカーを耐え、起死回生のスピアー弾をぶち込んで初勝利ゲット!

【第2試合】○中西vsストロングマン
これぞ日米パワー対決。プロレスらしい一戦だ。ストロングマンはステロイドマンではないか…?
単純に予想通りのパワー合戦で始まった。ぶつかり合い、打撃合戦も意外にもやや中西優勢か?ストロングマンは新日のキャリアは浅いがメキシコのCMLL(本当にこんな奴が戦っているのか?)代表で、シングルをこなしている実践で日増しに日本のファンに受け入れられる戦い方になっている。何と野人に逆アルゼンチンから逆野人ダンスまで披露。しかし「ホー」から野人が躍動し、ミサイルキック、アルゼンチンからヘラクレスカッターで激勝。お互い認め合ったのか、最後は握手。

【第3試合】バーナードvs○小島
元全日本出身のバーナードは久々の小島との対戦だが、入場は小島人気が勝った。
タックル合戦からコーナープッシュでバーナード優勢で“バーナードコール”に上機嫌で笑顔でダンシング。小島もすぐに反撃するがブレーンバスターの打ち合いはバーナードに軍配。が小島気合のラリアットでバーナード場外に転落。小島場外で鉄柵に打ち付けられるが戻るバーナードへマッケンロー。バーナード得意のコーナープレスでダメージ与える。小島の反撃も耐え切ったが、ラリアットを腕、背中に食らう。ネックハンギングボムを放つがかち上げ式ラリアットで小島順当勝ち。

【第4試合】中邑、●外道vs○潮﨑、青木
中邑は不機嫌そうなかったるそうな表情でなめてかかる。なんだかすっかりそういうキャラになってしまった。確かにかったるいタッグ戦だが・・・。
潮﨑は音の出るチョップで迎撃する。ジュニア側は当然外道が大人気で青木って誰?状態。なのでどうしてもNOAH組がヒールに徹して新日ヒールコンビに攻め入る(分かりにくい!)。が中邑の膝連打で流れが変わる。東スポに「中邑膝負傷」と大きく出ていたがガセか(後日やっぱり相当ひどい状態だったと判明する)?潮﨑は相変わらず音の大きいチョップ連発から袈裟げりを放つ。小橋にはなれないんだから真似っこはやめた方がいいのに。という前に体がレスラーらしくない。太ももは異常に太いが肌艶悪いし(肌艶は長州と中西が図抜けている)、ボディもたるんでいるし色白だ(長州とタイガーマスクが図抜けている)。中邑とキックの相打ちから両者ダウンも最後はねちっこく攻める外道を豪腕ラリアットから決め技“ゴーフラッシャー”でNOAH軍の勝利。

【第5試合】○真壁vsアンダーソン
初日に大物食いをしたアンダーソンも後が続かず結局想定内の星勘定だ。真壁は2連敗からようやく自分のペースで連勝中だ。
アンダーソンは序盤、ゼロ戦キックやトペコンヒーロで飛ばすが場外イス攻撃失速。低空ドロップキック、膝へのキック、顔面キックで反撃し、更にエプロンから飛んでくる真壁をガンスタンで逆襲。小技で丸め込み連発も真壁余裕で返すがコーナーで下から蹴られて大技連発を食う。耐え切った真壁はこだわりのスパイダージャーマンからキングコングニーの必勝連係。アンダーソンも勝機あったが息切れだ。

【第6試合】永田vs○後藤
好調の永田。どこまで突っ走れるか。一方パッとしなかった後藤も中邑を倒して勢いづくか。静かなスタートも永田の張り手でヒートアップ。場内は永田人気優勢。大永田コールに乗って打撃で攻め続ける。後藤もブレーンバスターで反撃開始しコーナーからのエルボー、変形バックドロップ、山嵐、
牛殺しと攻め続ける。昇天は膝蹴りで逃げられナガタロックⅡ、徹底した膝蹴りを食らう。エルボー、
張り手合戦からコーナーの攻防は永田が投げ勝ちブレーンバスター、コーナー膝弾、バックドロップ、大永田コールからハイキックで後藤をダウンカウントに追い込む。勝利も時間の問題と思われた直後、G1用の秘技、足極めエビ固めで大逆転勝利!

【第7試合】○デヴィットvs内藤
ジュニア戦士ながらに優勝戦の目があるデヴィットとこちらも息切れ気味の生意気内藤の一戦。流行の“レッツゴーデーヴィー”コールに乗って機嫌よくデヴィットが攻める。内藤もメキシコ修行経験者なのでジュニア王者とはスウィングする。デヴィット得意のノータッチトペには内藤も負けじと場外へスターダストプレス。机の上で攻撃狙う内藤に場外でバックドロップで切り返す意地の張り合い。リングに戻るやデヴィット得意のフットスタンプ。コーナーの内藤へドロップキックからバックドロップ狙うが内藤返してジャーマン。スターダストプレスはかわされダメージ残った状態でブラッディサンデー炸裂。

【第8試合】○棚橋vs矢野
好調の両者。今年は髪をかけた遺恨マッチ。矢野は6月大阪の髪切りマッチ敗戦後、短髪にカットしたがTVオンエアがなかったので切り損だ。
序盤から棚橋が飛ばすが場外で椅子の餌食になってしまう。矢野が思いっきりコーナーポストを外して投げ飛ばすと、何と私の席のすぐ下に激突した。雛壇最前列だったので事なきを得たが、これが雛壇でなかったら大惨事だ。イヤ、雛壇を計算して狙って投げたのか??むき出しの金具に棚橋を打ちつけ髪を引っ張りブーイングを浴びる。矢野は場内のヤジにちゃんと呼応するからおかしい(と言ってもだいたいが「うるせぇ、バカヤロー」だが)。要所要所で髪を掴んでブーイングを浴びる。ある意味天才だ。棚橋のジャーマンはレフェリー掴んで阻止しようとするが、レフェリーに張り手をくらいジャーマン成功。コーナーの棚橋を矢野が投げ飛ばすが鬼殺しは逃げられる。矢野はレフェリー巻き込み丸め込みから椅子激打。レフェリーダウンしている隙に棚橋逆急所攻撃。レフェリー復帰後逆上がりからスリングブレイド、続くハイフライフローは膝迎撃。今度は矢野の怒涛の猛攻。耐えに耐えた棚橋は横から押さえ込み“スリングブレイドル”で3カウント。「愛してまーす」で締めた。

【試合後】今回は裏の非常階段に強行突破して帰ろうとした。が、結局出たところが駐車場側。昔はよくここで「出待ち」したものだが、丁度選手も帰り支度だった。後藤、井上、中西らが出てくる。
丁寧にサインや写真に応じている。小島はマイカーで自分で運転して帰るが、非常にファンには礼儀正しい対応をする。相変わらずの好漢ぶりだ。新日本隊はライオンマークのバスで移動して行った
が、どこへ行くんだろうか??(まさか一人一人の自宅をバスで回る訳ないし・・・)


≪8月15日両国国技館≫
【第1試合】永田vs○高橋
決勝戦に望みのある永田と1勝しかしていない高橋。ここは永田の勝利は硬いしファンもそれを期待して永田に大声援を送る。
序盤から永田が飛ばすが張り手1発で形勢逆転。高橋は上背がない割りに攻撃に説得力がある。劣勢の永田は逆に張り返して巻き返す。高橋のゆっくりジャーマンを決められるが永田はハイキックを見舞い高橋にダウンカウントが入る。更にサンダーデスドライバーで厳しく追い討ちをかけるがまたもや高橋の張り手連発で失速し、ムーンサルトでまさかまさかの痛恨の黒星。高橋大喜びもどうせなら前半戦で脱落するなよ!

【第2試合】△中邑vs△潮﨑
いまだかつてこんな豪華な第2試合はあっただろうか!ひょっとしたら来年のドームのメインカードだったりして・・・?!
試合は静かな攻防でスタートもエルボー、張り手、キックの打ち合いに。今年のG1はこのパターンが多いような…。場外戦では潮﨑優勢。意外とどの試合でも場外戦は潮﨑ペースだ(キャラ考えろって!)。エプロンに中邑を固定してのニーリフト、リングインした中邑にスライディングキック、ドロップキック、膝へのチョップ、肩に担いで膝をコーナーに激突させ、更に中邑のキックをとらえて膝への袈裟げりでボマイエ封じにかかる。中邑も意地で潮﨑をコーナーに固定して傷めた膝でニーリフト、ボディへのキック連射、ゼロ戦キックで盛り返す。エルボー、チョップ合戦から潮﨑トラースキック、中邑回し蹴りで譲らず。中邑、フロントネックからスリーパーで潮﨑グロッキーに。執拗なスリーパーを潮﨑、チンクラッシャーで逃れバックドロップで返す。更にフィッシャーマンバスターも中邑膝蹴りからリバースパワースラムを返す。がボマイエは読まれ潮﨑大逆襲。ムーサルトは中邑にかわされ背後からボマイエを食らう。正面からはキックでかわすがゴーフラッシャーは膝で逃げられる。豪腕ラリアットも飛びつき逆十字でかわされ腕殺し地獄に。ブレーンバスターも中邑ダブルアームで返す。残り3分で中邑三角締めも1分耐え切られコーナーからの
ブレーンバスターで潮﨑攻めるが中邑アキレス腱固めからヒールホールドに移行するがタイムアップ!
中邑またもやG1逃す!てっきり決勝に行くための第2試合だと思ったのに。これならもっと遅い試合順で良かったのに!!

【第3試合】後藤vs○小島
順調に勝ち星を積み上げてきた後藤は“外敵に弱い”イメージを払拭すべく両国へ乗り込んだが前日潮﨑に敗れ、今日小島に敗れればイメージ定着してしまうので負けられないところ。一方小島も手術から復活し、大声援を糧に勝ち進んでいる。
後藤は小島必殺の豪腕ラリアット封じなら右腕を狙いたいが、定石通り手術した左腕に狙いを定める。後藤のコーナーエルボーをかわし、小島無言で「いっちゃうぞ」エルボーを繰り出す。後藤バックドロップ、小島DDT、コジコジカッター、後藤回天、牛殺しと大技合戦からラリアット放つが、小島、後藤の腕へラリアットを返す。サポーターを投げてのラリアットは一度はかわされるが2度目に決まりあっけなく小島の決勝進出が決定した。後藤、外敵に2日間で2連敗!

【第4試合】○矢野vsデヴィット
この時点でもまだ決勝へ望みのあるデヴィットは、ジュニア戦士初の決勝進出を果たせるか?
デヴィットはいきなり場外の矢野へノータッチトペコンヒーロを狙うとすかさず矢野は鉄柵のを飛び越えて避難する。が、そこへデヴィット大飛行!場内大きくどよめいた!しかし場外戦は矢野ペース。椅子攻撃食らう。膝にもダメージを負うがコーナーで巧みにキック攻撃、背中へのフットスタンプ敢行。矢野はレフェリーを巻き込むが裏目にでて椅子ごとフットスタンプを食らう。カウンターの椅子攻撃で矢野反撃。デヴィットたまらずグロッキーもレフェリーと共に蘇生してきた。矢野の必殺鬼殺しをかわしてブラッディーサンデー狙うが逆に返され潰された。

【第5試合】中西vs○内藤
永田同様決勝に望みがある中西は凄い形相で睨みつける。内藤のモンキーフリップを気合で空中で受け止める。ロープへ振ろうとするが踏ん張って攻めさせない。天才内藤は膝蹴りに活路を見出すがボディアタックは受け止められられる。調子づく中西はドロップキックからプランチャ(リング下へ飛び降りただけ?)、ミサイルキック、野人ダンスからラリアット、そしてアルゼンチンを試みるが逃げられる。内藤、フライングエルボーで逆襲も2発目はキャッチされる。大☆中西ジャーマンは着地するが攻撃できず。中西再度アルゼンチンにこだわり担ごうとするが、高角度回転エビ固めで中西の夏は終わった。

【第6試合】真壁vs○棚橋
IWGP王者と自称エースの決勝をかけた大一番。しかしこの試合順だと勝ち上がってからのインターバルがないな…。
真壁は執拗に棚橋の左膝を狙う。ダメージが蓄積したのか棚橋は自分の攻撃でも左膝を気にしている。真壁、エルボーを耐えてみせ、監獄固めに捕らえるがロープへ。こだわりのスパイダージャーマンは一度返されるが二度目は成功。しかし必殺キングコングニーはかわされる。棚橋のハイフライフローは真壁かわしジャーマンを敢行するが、起死回生のジャパニーズレッグロールクラッチで折り畳まれると鮮やかに3カウント。真壁連覇ならず。棚橋は決勝進出果たす。
その直後、傷心の真壁にZERO 1田中将人が乱入し、襲撃する。IWGPへの挑戦アピールだ。どこかのタッグ戦で真壁から3カウント取ったようだが、通常G1王者とやるんじゃないか?という前に、お前G1出ろよ!
因みにこの日も“ゴーゴータナハシヒロシ”コールは根付かなかった。

【第7試合】●ストロングマン、井上vsバーナード、○アンダーソン
最終戦ではじめから本戦カードが組まれなかった4人の消化試合。バーナード組はIWGPタッグ王者に返り咲いた名コンビだが、井上組は何なんだ・・・。
ストロングマンは力を誇示するが井上が捕まってしまう。タッグ王者の連携はさすがで冴えるが一方の井上組はストロングマンはカットに入らない。井上はライバル?バーナード戦で必ずトライするジャーマンを敢行するが潰されてしまう。井上がバーナードをスリーパーに捕らえストロングマンがアンダーソンをアルゼンチンで担ぐが分断されてしまう。最後はストロングマンにG1で脚光を浴びたガンスタンで3カウント。

【第8試合】長州、マシン、●AKIRAvs天龍、川田、○タイガーマスク
真夏のクリスマスプレゼント。今までなら決勝前日の目玉カードとなるところが決勝当日のセミファイナルとなった。タイガー、川田、天龍が一人ずつ自分のテーマ曲で入場。天龍一番人気。長州組はパワーホールでまとめて入場。
スタートは長州vs天龍。天龍、コーナーでチョップを放つと膝の痛い天龍は腰砕け。場内困惑とタメ息。それにひきかえ長州と負傷復帰明けのタイガーは素晴らしく日焼けしてコンディションも良さそう。天龍よせばいいのに再度リングインするが、長州が出鼻をくじくと場内不安になってしまう。マシンにチョップを放つと膝の痛みで倒れこんだ。それがたまたま浴びせ蹴りになった。川田ストレッチプラム、AKIRAもムササビプレス出すが混戦でタイガー飛びつき回転十字架固めで大凡戦に幕。
天龍酷過ぎ!川田もオーラなし!こんな戦い必要なし!

【第9試合】○小島vs棚橋
ここで聞きなれたテーマ曲と共に何と蝶野入場!1月に新日退団して体調を整えていたが、その間IGFの解説をしたり、全日本の11月台湾興行で復帰を発表する等、新日から距離をおいていたが、G120周年にこの男は欠かせない、ということか。小島、棚橋の順でコールし決勝戦宣言をして解説席に陣取る。それより早く復帰しろよ!
試合は棚橋エルボー、小島平手打ち合戦でスタート(このパターン多いな)。声援は五分と五分か。棚橋も手術した小島の左腕を定石通り狙う。腕をマットに叩きつけブーイングを浴びる。小島は棚橋の右膝に照準を合わせ、さそり固めまで披露する。棚橋足にダメージが蓄積してきており、コーナーに振られても走れない。が、果敢にエプロンからトペコンヒーロを放つ。フライングボディアタック成功もロープ2段目からのラリアットでリング上で大の字に。DDT、CCDからサポーターを投げ捨てラリアットを狙うがこれは棚橋が読んでいた。2発目もブロックし、腕にドラゴンスクリュー、ドロップキックからハイフライフローを敢行するがこれは剣山に。ジャパニーズクラッチから逆さ押さえ込み、背中へのハイフライフロー、2発目は自爆する。背後からのラリアット、垂直落下式ブレーンバスターは棚橋何とか返す。ラリアットはフルネルソンからダルマ式ジャーマンで返すが、再度フルネルソンはコジコジカッターを受けてしまう。棚橋ドラゴンス-プレックスから腕へもドラゴンスクリュー放つが、小島のラリアットで棚橋ギリギリ返す。再度ロープに振りラリアット狙うがかわされる。新日ファンが安心しかけたその直後に再度ラリアットをぶっ放し、とうとう外敵にしてG1王者に君臨した。
優勝インタビューでは一部ブーイングが起きたが小島は優等生的な回答だ。IWGPベルト挑戦表明するや、「取っちゃうぞバカヤロー!」ととうとう「バカヤロー」を解禁し締めた。
あれっ?例年やるはずの各賞の発表がない!が、TV用の優勝インタビューの様子をモニターに写すサービスは良かった。



以上