14.6.3 後楽園ホール観戦記

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BEST OF THE SUPER Jr.XXI 後楽園ホール

ジュニアの祭典、スーパージュニアの季節がやってきた。シリーズタイトルの「XXI」…今年で何と21回目。伝統ある大会だ。
一方ヘビーの祭典…ではなく真夏の祭典G1 CLIMAXは都内会場が後楽園ホール1戦のみという日程となり、その大会のチケットは即日完売という、正に“プラチナチケット”と化してしまった。所属選手ですら闘魂ショップに根回しをするほどである。
スーパージュニアも各団体のエース級がこぞって参戦するのでチケットの配分も細分化されてしまうからか、優勝決定戦の後楽園大会は、こちらもプラチナチケット状態だった訳であるが…今年は代々木第二体育館である。しかも開幕戦5月30日から代々木大会まで10日間しかなく、開幕戦に続き6月3日も後楽園である。
これなら余裕かな…と思いながら参戦者が7名と膨れたためかYTR選手にチケットを依頼したところ、「リングサイド」は取れず「特別リングサイド」になってしまった。

後日チケットを受け取ると「は列」であった。「い、ろ、は…」そう、前から3列目!。目の前で空中戦が繰り広げられる絶好のポジションである。
ところが会社関係で不幸があり、会長と幹事長の重鎮2名が葬儀へ出向くことになり、急遽2名キャンセルルになってしまった。ご本人達はチケット代(増税後8,240円!)を諦めて「タダでも良いから誰か行ってくれる人に」「JTに渡すから処分してくれていいよ」と大人な振る舞いで託されてしまった。とにかく重鎮方の代打を探さねば…。前日に何人かにメールでこの窮状を訴えてみた。が、ほぼ反応なし。それからは殆ど最近会話もしていないメンバーに「今日の今日で」誘ってみたものの、大半が無反応。せめて「今日は無理です」とでも返信くれてもいいものの、JTの日頃の行いのせいか…悲しい反応であった。
そして当日、そんな日に限ってJTは出張である。そんな中でも更に選挙戦を戦うスタッフが、小学校時代の名簿で「久しぶり!ところで…」と切り出すがごとく、あらゆる知人を当たったのであった。
そして夕方。まだ決まらない。もうダメもとで一般素人女子を強引に誘ってみたが、「え”っ?プロレスですか??」「きょっ今日ですかー?」…とありがちな反応。「タダならいいですよ」「反省会行かなくて良ければ…」と何とか了承を取り付けた。その後別口で社外男子が「半額なら…」と興味を示したので消極的女子に遠慮願ってめでたく人数確保した。時計の針は試合開始時間まで1時間を切っている。そこから幹事長の会社へチケットを受け取りに行き、ギリギリで間に合った。

そんな素人男女に果たしてプロレスはどう映るのだろうか…。以前の苦い経験だと全く楽しめなかった男子もいたし…。素人は素人でも「今度行きたい」「一度は行きたい」という前向きな場合は、もれなくハマってくれたのであるが、つい1時間前までまさか自分がプロレスに行くとは夢にも思わない2人である。
そういう「初めてのプロレス」一般人にとって、スーパージュニアは格好の大会だ。悪vs善、日本人vsガイジン、空中戦あり、肉弾戦あり、反則攻撃あり、超難易度技あり…。「この選手は小ズルい奴で…」「このガイジンは正統派で…」「この選手の入場ポーズはシャッターチャンスだよ」と的確で間のいい口添えを頼りにすっかり“魅せられて”いる。2人とも「超楽しいです」「最高!」と周りのベテラン観戦者もホッとすることができた。…場外20カウントが理解できなかったようだったが…(苦笑)。
それにしてもデスペラードvsケニー・オメガではケニーコールを、ライガーvsリコシェではリコシェコールを、田口vsシェリーではシェリーコールを…どういう訳か全部逆だろう!という応援。これは問題だ。新日軍よりも相手側に魅力があった、ということになる…。

さて、今大会は時のジュニア王者の飯伏がエントリーされていない。メジャー他団体のエース級の目玉選手もいない。デヴィットも退団してしまった。文字通り“小粒”な選手の大会になってしまった感はあるが、KUSHIDAかBUSHIかエスペラードを売り出す大会なのか…。果てまたタッグ戦線で活躍するガイジンにスポットを当てるのか、それともインディ系の実力者を持ち上げるのか…。
おかげでヘビー級の試合が10人タッグマッチ一戦のみであった。それも正規軍vsBULLET CLUBである。なのでオカダも中邑もYTRも…試合前に営業していた鈴木みのるも試合がない。
やっぱり10日で8戦ではなくて、もっと日数を増やし、毎日ヘビー級の試合ももう少し織り込んで欲しいところ。

きっと素人2名もヘビー級の凄さをもっと体感できれば…よりハマったことであろう。けどさすがプロレス。一瞬にしてファンを増やしたのであった。

《試合結果》
この日は試合がない鈴木みのるはいつも通りの“営業”。
またリングサイドに少々違和感が。それはジュニアの大会なので場外フェンスが取り払われており、飛び放題である。

【第1試合】〇ロッキー・ロメロvsタイチ
今“渦中の”タイチはいつも通りの嫌われぶり。開幕戦では「レッツゴー・タイチ」コールが起きたようで、問題を起こしながら反省しないタイチに同情コールが起きた格好だ。プロレスファンは優しい。今日はいつもの「タイチは帰れ、チャッチャッチャチャチャ」コールであるが、どこか優しいコールのような気がする。
試合は反則攻撃をし損ねたタイチが負傷欠場でセコンドのコズロフに攻撃食らい、ロメロ勝利。

【第2試合】タイガーvs〇ニック・ジャクソン
素人観戦者にも分かりやすい正義の味方タイガー。先に入場していたニックはマットと共にリングイン。タイガーがコーナーでポーズを取る、と素人に予告するが、セコンドを気にするタイガーは「いつもの」ポーズをすることなくクレームをつける。案の定試合にもマットが介入しまくり最後もマットのトラースキックからニックの勝利。

【第3試合】〇TAKAみちのくvsマット・ジャクソン
今度はニックがセコンドにつく。当然のようにこの試合もセコンドが介入する。しかしながらTAKAの悪知恵は天下一品!。同士討ちを誘ってみちのくドライバー葬。

【第4試合】●キャプテン、本間、中西、内藤、棚橋vsトンガ、ギャローズ、アンダーソン、〇高橋、ファレ
10人タッグ戦は1度リングに立ったらすぐ持ち味を出さないとならないことが多い。中西は序盤から野人ダンスを披露した。コーナーで4人待機するとコーナー周辺の座席からリング上が見えない。そんな中ギャローズが怒って叩きつけたフェンスが仲間に直撃。さすがにヘビー級の悪役は説得力がある。最後に出てきたキャプテンも健闘するが悪の連携であえなく敗退。試合後は棚橋が袋叩きに。

【第5試合】KUSHIDAvs〇BUSHI
デヴィットも飯伏もいない本大会。この2人を売り出す大会か。腕攻めで攻め立てるKUSHIDAも貫録が出てきたが、この日はBUSHIも燃えている。BUSHIロールからエムエックスで殊勲の白星ゲット。

【第6試合】〇デスペラードvsケニー・オメガ
先に入場しリングサイドを走り回るオメガに対し、会場後方からギターを片手に入場するエスペラード。すいている北側の舞台上の空間で場外戦を繰り広げる。お互い高度な空中殺法を繰り出し場内を熱狂させる。最後は強烈なギターラ・デ・アンヘルで殊勲の白星。

【第7試合】〇ライガーvsリコシェ
ドラゲーの星リコシェが憧れのライガー戦。このメンバーの中でも最高の空中戦を披露できるリコシェに声援が集まる。
しかもパワーも持っている。ライガーも意地でロメロスペシャルを仕掛けるが、リコシェのインパクトにかすんでしまう。最後は空中胴締め落としを決め重さで勝利。試合後異様に喜んだ。

【第8試合】田口vs〇アレックス・シェリー
序盤田口の腰クネクネダンスをシェリーが真似て挑発する。エルボー合戦や高度な技の掛け合い、かわし合いで一進一退の攻防。田口は得意のノータッチトペコンをフェンスのない場外へ放ち、どどんも成功させるもシェリーのトラースキックからのオートマチックミッドナイトでシェリー激勝。
試合後マイクパフォーマンス。出だしは日本語なので好感持てたが、すぐに英語になってしまう。「進撃のシェリー」で優勝を目指す。長い長いスピーチで最後TV解説席にいた棚橋に断りをした「愛してます」で締めた。

以上